見たことない激レア車両が現る!
牧野幸一さん:ロードスターRF
さて、あまりにも濃すぎたうちわさん&ちまきさんのペアの取材を終えたところ、うちわさんから、「今ここで納車式やってる人がいるんですが、見に行きませんか?」と謎の提案。いやいや、ディーラーはもちろん、ローダーなんかどこにもないじゃないか。謎を確かめるべく、ついて行くことに。
と、そこにあったのはロードスターRF……まわりには人だかりが!? しかも記念撮影までしてるではないか。これはどういうことだ?
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このクルマのオーナーは牧野さん。NAロードスターを新車で買って2台もっているという、生粋のロードスターマニア……ではあるのだが、ここにあるのはRF。何が何だかわからないぞ?
と、そこで人だかりができていた理由が判明。なんとNDロードスターやロードスターRFの主鎖を務めた中山 雅さんがいるではないか(みんなサインを求めていた)。
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牧野さん、もともと中山さんとは長い付き合いだったそうで、マツダR&Dセンター横浜で行われたロードスターのイベントの際に、「俺、ロードスターの35周年記念車買うよ! ……と彼に宣言したのよ。冗談だと思われてたけど(笑)。で、本当に買ったから今日中山さんに見せに来たのさ。そのときの俺の宣言、本人覚えてねーけど!(笑)」、とのこと。それがこのうちわさんのいう”納車式”の真相であった。お披露目会といったところか?
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牧野さん、「納車式は大袈裟だけどさ。ここに来るまでほとんど乗ってないのは事実だからね。今日ここでシートのビニールを剥がしたくらいだし。2月くらいに手もとに来たけど、乗ったのは今日で3回目。せっかくだからドアの内張りとトランクの内側に中山さんのサインをもらったよ」とのことで見せてくれた。
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牧野さんにロードスターの魅力を聞くと、「このクルマはやたらめったに速くしないで、扱える速さで留めてるところが素敵だよね。じつはこのRF買う前はフェラーリの599をもってたのよ。それと入れ替え(笑)。フェラーリはやっぱその辺で乗るにはオーバースペックすぎるからね」とクールに語る
フェラーリを超える魅力をもつロードスター、見てるこっちがほしくなるぞ!
千葉教生さん:NBロードスター TD-1001R
最後に凄まじいクルマのオーナーが現れた。それが、先の牧野さんのお披露目会にいた千葉さん……とその愛車だ。それがこの、「ディーテクニック TD1001R」と呼ばれる激レア限定車。
これは、NAロードスターにあったコンプリートカー、M2シリーズ(M2-1001)を手掛けた立花啓毅さんが独立して立ち上げた、ディーテクニックというメーカーが、NBロードスターをベースにコンプリート化し、限定50台で世に放ったモデル。1000台以上いるこの会場で恐らく唯一の参加車両だ。
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「このクルマは、自動車ライターの方がワンオーナーでもっていたものを、SNSでの募集を介していえない破格で譲ってもらったものなんです。もち主は先着で考えてたみたいで、僕が一番最初に声を掛けたので僕のところに来ました。ちなみにシリアル番号は49/50、ほぼ最後のモデルなんですよ。それに黒はほぼ存在しないので、もしかするとこれ1台だけかも……」と語る千葉さん。ここでいう自動車ライターは、筆者も知ってる人で、かなりのロードスターマニアだ(というのをこの取材で知った)。
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千葉さんはマツダファンなようで、「ずっとNAをもっていたんですけど、家族が増えるタイミングで買い替えを妻に提案され、『”ふたり以上”乗れればいいんでしょ?』との意見を盾に、RX-7(FD3S)に乗っていたんです。ただそれも最近は不動車で……。そんなとき、子どもたちも手離れしたので、もう1回ロードスターとか乗りたいなぁって思ってたら縁があってこれに」とのこと。
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この「ディーテクニック TD1001R」は、ベースのNDロードスターから10馬力ほど出力が上がっており、40kgほど軽量になっている点が特徴なほか、エクステリアも専用ヘッドライトやカーボントランクを装備する。
「メーターを3個イチにしてオリジナルの仕様にしたり、貴島さんのサインを入れてもらったりして少し弄ったほか、内装のヤレなども手直ししました。マフラーも社外ですね」と、モディファイ箇所も教えてくれた。
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千葉さんは小学校の先生もしているそうで、「今の子どもって、クルマに興味ある子とかいるんですか?」と聞くと、「意外といるんですよ。まぁ昔から一定数……くらいのレベルではありますが。このロードスターを見て、『先生のクルマ格好いい!』、『俺もロードスターほしい!』なんていう子もいますね」とのこと。こんなに強烈なクルマ見せたらさすがに後世に響きそうだが(!?)、クルマ好きを増やす活動を結果的にしてくれているのかもしれない。さすがは教育者である。
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「千葉さんにとってロードスターとは?」と聞いてみたところ、「生きる喜び……ですね」と返してくれた。
ロードスター軽井沢ミーティングには、なんらかの魔力に魅せられ、惹きつけられた人が多く集まっていると再認識した、相変わらず濃すぎるイベントであった。このまま取材を続けていたら、帰り道に危うくロードスターの中古車(財政難ゆえに新車は買えないので……)を見に行ってしまうところであった。危ない危ない。さて、来年はどんなオーナーたちに出会えるか、楽しみである。
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