この記事をまとめると
■標準装備が豪華になった現在のクルマのなかで質素さを貫いているモデルをピックアップ
■アルトやミライースはビジネスユースに特化したグレードが存在する
■ヤリスの最廉価グレードは装備をオミットせずに内装の加飾を抑えたシンプル仕様
廉価グレードがあまりにも素すぎるクルマたち
近年は安全装備の義務化などもあり、標準装備がどんどん豪華になっている。そんな現在でも、義務化されている装備以外の部分で思いっきり割り切ったモデルが存在している。今回はそんな質素なモデルをご紹介したい。
スズキ・アルト A
スズキのエントリーモデルとして1979年の登場以来、ボトムラインを担ってきたアルト。現在は2021年に登場した9代目がラインアップされており、歴代モデル初のハイブリッドモデルも追加されたことでも話題となった。そんなアルトにはエントリーグレードの「A」が存在しているが、これは先代まで存在していた商用モデルのアルトバンの後継という位置づけで、5ナンバーの乗用ではあるものの、装備がかなり厳選されている。
スズキ・アルトAのフロントスタイリング画像はこちら
カラードドアハンドルやフルホイールキャップといった外観の部分が省かれるのはもちろん、電動格納ドアミラーやリヤパワーウインドウもオミットされる。
そもそもリヤドアのウインドウはパワーウィンドウが備わらないというか、開閉機構すらないハメ殺しタイプとなるほどの割り切りぶりなのだ。
ダイハツ・ミライース B “SA III”
長らくアルトのライバルとして存在し続けているダイハツのミラ。現在はミライースとなっているが、現行型もアルト同様にビジネスユースに特化したグレードが存在する。それが「B “SA III”」だ。
ダイハツ・ミライース B “SA III”のフロントスタイリング画像はこちら
こちらもアルトと同じくリヤドアのウインドウはハメ殺しで開閉不可なものになっているだけでなく、ホイールもアルトの14インチに対して13インチに小径化がなされている。
外観では、ドアハンドルこそ他グレードと同じくシルバー塗色となるが、ドアミラーは昔ながらの根元部分がボールジョイントとなっているシンプルな可倒式で、バックドアに貼られる車名エンブレムも他グレードがメッキなのに対し、このグレードではステッカーとなるほど。
ただ、ミライースには「ビジネスユースフルパック」というメーカーオプションが設定されており、これを選ぶと電動格納ドアミラーやプライバシーガラス、LEDヘッドランプ、車速感応式間欠フロントワイパーなど、仕事で日常的に使うユーザーにはうれしい装備を追加できるようになっているのもポイントだ。
ダイハツ。ミライースのビジネスユースフルパック画像はこちら
トヨタ・ヤリス
トヨタのベーシックコンパクトであるヤリス。ハイブリッドモデルや6速MT仕様など、ワイドバリエーションとなっているのも特徴のひとつだが、ガソリンモデルのエントリーグレードである「X」には、1リッターエンジンを搭載したグレードが用意されている(1リッターはGにも設定)。
トヨタ・ヤリスX”Bパッケージ"のフロントスタイリング画像はこちら
このグレードは、極端にオミットされている装備はないものの、内装は加飾がほぼ省かれてブラック一色となるほか、エアコンがヤリスのなかでは唯一オートではなくマニュアルエアコンとなる。また、ツートンカラーも用意されず、華やかな装備の備わらない質実剛健な仕様となっているのだ。