日産パトロールってずいぶん懐かしい名前じゃん! 日本導入は「未定」なのに日産が試乗会まで行った理由とは? (2/2ページ)

パトロールが成功するためには

 日産から「パトロール」という名前のクルマが初登場したのは1951年。この時代に4リッター直列6気筒エンジンを搭載するなど、走破性重視の本格クロカンモデルとして生まれている。そして、日本では1980年に3代目へフルモデルチェンジした際に「サファリ」へと改名した。

 その後、2007年に販売終了となるまでサファリの名前だったこともあり、日本国内で正規販売されたパトロールを購入したというユーザーはほとんどいないかもしれないが、グローバルにはいまに至るまでずっと使われてきた伝統ある車名である。

「パトロール」は、じつは国産車においてもっとも長い歴史をもつ車名といえる。その名前が日本市場で浸透していなくとも、70年をゆうに超えるヘリテージを前面に押し出したプロモーションがなされれば、十分に価値は伝わるだろう。

 もっとも、日本において某・刑事ドラマの劇中車として「サファリ」が活躍したという過去もあり、特定の世代においては「パトロールよりサファリのほうが馴染み深い」という意見もあるだろうから、どちらの名前を選ぶことがブランド価値向上につながるかの判断は非常に難しいものとなりそうだ。

 ちなみに、7代目となる現行型パトロールが搭載しているエンジンは、3.5リッターV6ツインターボで、最高出力425馬力、最大トルク700Nmとアナウンスされている。トランスミッションは9速ATであり、高速巡行時などのエンジン回転数は抑えられるだろうが、それでも燃費についてはそれなりに厳しいものとなるだろう。

 もっとも、この手の大型SUVはランニングコストを重視するユーザーが選ぶべきタイプのモデルではない。重要なのは、フラッグシップらしい迫力あるシルエット、圧倒的な走破性を感じさせるメカニズムやドライブフィールであるはずだ。

 このカテゴリーにおいては、前述したようにランドクルーザーやGクラス、レンジローバーといった高い評価を得ているモデルが数多く存在している。はたして、新生パトロールが、日産を救うことはできるのだろうか。少なくとも、ビジネスとして成立するだけの販売台数をクリアできる目途が立たなければ、日本導入は難しいだろう。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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