この記事をまとめると
■高級ミニバンがファミリーのみならずVIP界からも重宝されている
■かつては高級車の鉄板であったセダンはかなりの下火になっている
■セダンのほうがミニバンやSUVと比較して物理的に有利なポイントが多い
高級SUVや高級ミニバンが世のなかを席巻
代が変われば常識も変わる。国会議員らお偉いさんが送迎されるシーンで画面に映るのは、高級セダンもそれなりに見受けられるものの、いまや高級ミニバン(ほぼアルファード)が圧倒的多数を占めるようになった。
いうまでもなくミニバンは車内が広くて乗り降りもラクだ。かつてはワンボックスっぽいと見下されて敬遠されたりしたものだが、ミニバンには「高級」という概念が存在しなかったところを、アルファード/ヴェルファイアが見事に書き変え、ネガティブなイメージが払拭されたことで、ファミリー層だけでなくVIPからも重用されるようになった。
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かたやSUVはもっとえらいことになっているのはご存じのとおりだ。SUVブームは、もともと大柄で価格帯の高いプレミアムセグメントが主体となって巻き起こり、それまでSUVを手がけたことのなかった超高級ブランドまでが続々と名乗りを上げた。海外勢を見わたすと、2000万円クラスの車種もぜんぜん珍しくなく、その倍以上する車種だっていくつもあるほどだ。
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そんな勢いのあるミニバンとSUVに対して、セダンは販売台数が激減し、車種の数自体もめっきり減ってしまった。もはやセダンはオワコンなのかと思いきや、そんなことはない。「プレミアム~」と呼ばれるブランドの多くは、しっかりいまでもセダンをラインアップしていて、世のセレブから少しでも目を向けてもらえるようにと努力している。
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セダンは居住性や利便性を十分に確保できて、走行性能面でも操縦安定性と乗り心地の快適性を両立しやすく、空力や燃費の面でも有利と、極めて合理的なパッケージングであることに変わりはない。
お偉いさんは高級セダンに乗るのがお決まりだったのは、見た目がフォーマルなイメージであるだけでなく、ショーファードリブンで後席に乗って移動するような使われ方に相応しいものをもっているからに違いない。どんなに豪華で広いミニバンやSUVであろうと、どうこういっても乗り味の部分でどうしてもセダンを超えられない物理的な壁があることを念を押しておこう。
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