名門がフェラーリの最新モデルを武器にGT300に挑む
6号車:VELOREX
『VELOREX』と聞くと、SUPER GTファンのなかでもあまり耳馴染みのない方が多いかもしれないが、その中身はかつてGT500でも活躍した名門の「Team LeMans」。イタリア語で速さを意味する“VELOCE”と、ラテン語で王を意味する“REX”をかけ合わせて作られた造語を新たなチーム名として、真紅のフェラーリ296 GT3とともに速さと強さを前面に出したブランディングを行なっている。

そんなVELOREXは、早くもGT300で鮮烈なインパクトを残した。5月に富士スピードウェイで行なわれた第2戦では、27番手スタートから26台抜きという離れ業で優勝。コンビを組むロベルト・メリ・ムンタンと片山義章にとっては、ともに初優勝となった。
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2015年にはマノーからF1に参戦した経験もあるメリは、非常にプロフェッショナルかつストイックなドライバーなのだという。また、彼の愛する自転車は趣味の領域を超えており、レースウィークに東京から富士スピードウェイまで自転車で移動することもしばしば。飲み物も基本的には水しか口にしないというが、古場博之チーム代表によると、「以前『いろはす』の桃味を買って渡したところ、大好物になりました(笑)」とのこと。
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さらに現在、ウイリアムズF1チームに所属するカルロス・サインツJr.はメリにとって同郷の友人であり、F1のレースウィークに同行してサポートも行なっている。
一方の片山は、父が岡山国際サーキットの社長となったことがきっかけで高校卒業後にレースを始めたため、レースキャリアは10年ほどと短いが、メキメキと成長していまやトップカテゴリーでも存在感を放っている。アメフト経験者であり、ファンの間では筋骨隆々な体躯で知られていたが、最近では持久力トレーニングを強化し、好きではなかったというカートにもたくさん乗っているという。さらに、メリに触発されて禁酒を始めるほど、今季に懸ける想いはとにかく強い。
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ちなみにチーム代表の古場氏は、トヨタでC-HRや幻となったGRスーパースポーツの開発責任者を歴任した人物。そのため、Team LeMansに参画する以前から、WEB CARTOPにもたびたび登場している。
