この記事をまとめると
■1983年デビューの4A-GはAE86で初搭載されテンロクの象徴に
■軽量・高回転・高耐久でチューニングやレースにも広く活躍
■5バルブ化や過給機仕様も登場し、19年にわたり進化を続けた
トヨタの産んだ1.6リッタースポーツユニット
トヨタの市販車エンジンで名機というと、まず3S-G。そしてF3やターボチューンで実績のあった2T-G。6気筒では2JZ-GTEなどが思い浮かぶかもしれないが、その2T-Gの後継である4A-Gもポテンシャルのあるエンジンだった。
4A-Gのデビューは1983年。あのAE86型レビン/トレノの心臓部として初めて搭載された。AE86はご存じのとおり、シャシーは基本的に先代のTE71からのキャリーオーバー。大きな違いはエンジンが2T-Gか4A-Gかというだけだ。
AE86レビンの走り画像はこちら
でも、このエンジンの違いが結構大きい。両者とも排気量は1.6リッターと変わらないが、2T-GはDOHC2バルブ。4A-GはDOHC4バルブになったのが大きな差だ。
乗ってみると、4A-Gは吹き上がりはいいが、パンチ力は2T-Gのほうがあるように思えたのが当時の印象。実際のところ、4A-Gはアイドリングから0.98秒でレブリミットに到達するハイレスポンスがウリで(のちに7700rpmまで0.78秒にまでレスポンスアップした)、パワーも2T-Gより15馬力アップの130馬力(グロス)になったので、その進化は圧倒的。
AE86の4A-GEエンジン画像はこちら
しかし、4A-Gの大きな武器は、パワーやレスポンス以上にエンジン重量が軽かったことだ。2T-Gより25kgも軽くなり、123kgで収まったのが美味しいところ。それでいて丈夫だったことが高く評価されている。AE86のように、FRのマシンでエンジンが25kgも軽くなったら、ハンドリング性能がどれだけ向上するかは想像に難くはないはず。AE86が当時の走り屋から絶大に支持されたのは、この4A-Gのおかげといっても過言ではない。