この記事をまとめると
■マツダ・スピリットレーシングの「バーチャルからリアルへの道」3期生が決定
■9000人から選ばれた6名の3期生の育成プログラムが始まった
■3期生はトレーニングの後に筑波・富士・岡山の「マツ耐」にチームで参戦する
「バーチャルからリアルへの道」3期生は6名
マツダ・ファン・エンデュランス「通称・マツ耐」に参加するマツダ・スピリットレーシングの2025年参加メンバー(3期生)がついに決定し、そのメンバーによる育成プログラムが、大阪・福島区にあるSPK株式会社において行われた。
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このマツダ・スピリットレーシングの取り組みとは、これまでに何度か取り上げ紹介してきたが、ここでもう1度紹介すると、「バーチャルからリアルへの道」という育成プログラムのもと、eスポーツの世界から飛び出し、現実の世界で競い合い、そのなかでモータースポーツの楽しさを最大限味わうとともに、レースの厳しさや、またチームという輪のなかで争ったり協力しあったりすることで、人間形成においても学んでいこうというのが、この育成プログラムの内容だ。
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その3期生は、今回9000人のなかから選ばれた6名で年齢もさまざま。最年少は19歳で最年長は30歳という面々で、eスポーツ大会経験者や、カート経験者、また免許取得1年未満の若者など、その経歴も多種多様。しかし、誰もが幼少期からグランツーリスモを経験し、eスポーツとの接点が身近にある世代の6名が選出されている。
ちなみに、この6名の選出方法は、ただ上手い、速いというテクニックだけを見て選ばれたわけではなく、この育成プログラムに適している人材であるかどうかという点も加味されているというから、この育成プログラムの奥の深さを垣間見ることができる。
ところでこの「マツ耐ってなに?」という皆さんのために、ここで再度紹介すると……。
「マツ耐」とは?(マツダ・ファンエンディランスレースHPより抜粋)
世界最高峰の自動車耐久レースであるル・マン24時間レースで、日本の自動車メーカーとして初めての優勝を成し遂げたマツダ。そのスピリッツを受け継ぎ開発されるマツダ車のユーザーにこそ耐久レースの魅力を肌に感じてもらいたい、という考えのもと企画された参加型サーキットイベントが「マツダファン・エンデュランス(通称:マツ耐)」です。
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幅広いマツダ車ユーザーが参加できるよう、兄弟イベントであるマツダファン・サーキットトライアルと車両規定を共通化し、ロールケージやフルハーネスシートベルトも不要で、普段使用しているお車のままで参加できます。ロードスター、MAZDA2(デミオ)、MAZDA3(アクセラ)などの車種別に加え、改造範囲に応じてクラスも分かれています。
競技のルールは?(マツダ・ファンエンディランスレースHPより抜粋)
150分(2時間30分)という規定時間内にどれだけ多くサーキットを周回できるかを競うのがマツ耐のルール。ただし、決勝レースは満タンでスタートし、途中の給油は一切禁止されています。
一般的なスプリントレースとは異なり、単に速く走るだけでは上位に進出どころか、ガス欠で完走すらできないかもしれません。タイヤやブレーキなどの消耗、ガソリンの燃費、ドライバーの体力など、様々な点を考慮する必要があり、必ずしもスポーツカー系の車種・グレードやチューニングカーが有利とは言えません。そんなレースマネジメントが耐久レースに参加する醍醐味と言えます。
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1チームにつきドライバーは4名まで登録ができ、仲間を集めてワイワイ参加するのも良し、一人だけで自分の限界にストイックに挑むも良し、単に勝ち負けを競うだけでなく、それぞれのスタンスに応じた楽しみ方が選択できます。
耐久レースと聞くと敷居が高いと思われるかもしれませんが、マツダ車にお乗りの方であれば誰でも、マツ耐を通じて憧れのレースデビューを果たせるチャンスです。
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モータースポーツライセンスの取得を義務付けられず、ドライバーに絶対的な速さを求められないため、通常のレースよりも気軽に参加することができ、当日は専門のドライビングアドバイザーが待機しているので、入門者でも競技に関する不安や疑問に気軽にお応えします。
また、レース時間は燃費重視の設定にしているため、基本的に全開走行を続ける必要はなく、マシンへの負担やパーツの消耗が抑えられ、レース用に特別な改造をしていないクルマでも参加できます。レース中のガソリン給油も禁止にすることで、給油用のピットクルーや給油装置の準備も不要です。
2011年にスタートして以来、2023年度シーズン終了時点で延べ5,700名以上が参加しています。
というのが「マツ耐」だ。とにかく、モータースポーツをより身近なものに感じ、楽しんでもらいたいというのが、このレースの本質。とはいえ、ただ速く走るだけではトップになることのできない、チームワークや戦略などが重要となるマツ耐。速く走る以外のテクニックや150分間じっくり考えて走るということが必要となるモータースポーツとしていま、注目されているレースなのだ。