マツダが力を入れる「バーチャルからリアルへの道」! 9000人のなかから選ばれた6名が実車レース「マツ耐」を目指してシミュレータを走らせた!! (3/3ページ)

今回参加した育成プログラムについて感想を聞いてみた

佐藤真太朗さん

「筑波サーキットは実車でも走っていて、シミュレータもリアルだったので慣れれば気もちよく走れました。岡山は初めてだったので手探りでした。全開走行は、コースに慣れれば難しくありませんが、燃費走行は目的がシンプルなんですが、難しいですね。まずは、その走り方を覚えていかなければと思います」

大原悠暉さん

「岡山はTVでよく見ていたコースなのである程度イメージをもって走れましたが、シミュレータでは細かいところが再現されていて発見もありました。燃費走行は、ブレーキポイントなどを見定めるのが難しいですね。私は全開走行では見える景色などでブレーキポイントを決めているんですが、燃費走行では、それがまったく異なるので、そのポイントをまずは探りたいと思います」

瀬川彰斗さん

「岡山のコースレイアウトはスーパーGTでなどで見ていましたが、シミュレータでは高低差や道幅の狭さなどがよくわかりました。全開走行ではブレーキポイントなどを確認できましたが、燃費走行になると惰性で走る場合のブレーキポイントやステアリングの切り方など、勉強することが沢山ありました。そのあたり練習が必要だと感じています」

市原拓真さん

「普段走ったことのないコースは新鮮でした。燃費走行でアクセルを8割くらいで走るということを教わりましたが、グランツーリスモでは8割くらいのアクセルだとスピードがグッと落ちますが、シミュレータではスピードが落ちないので、実車でもそうなのかと新たな発見がありました」

中村匠都さん

「岡山は、スーパーGTのオンボード映像などで走行ラインはなんとなくわかっていましたので、それを活かせて走れるところもありましたが、全然違うところもありました。コーナーの進入が難しいですね。止まるためのブレーキ、曲がるためのブレーキなど、データロガーを見て勉強しなければいけないと思います」

育成ドライバーを指導するTCRジャパンの加藤彰彬氏による3期生の総評

 今回集まった3期生はとても素直ですね。いわれたことをしっかりと理解し、さらに自分なりにこうしたらどうだろうかと考えて、それを試しています。それぞれ目標をもって楽しもうとしているので、とても好感のもてるメンバーです。今後は、実車を交えて練習をしてもらいますが、まずはチームのなかでメンバーをシャッフルしながら、実際のレースで実力をつけてもらいます。2台用意する車両は、基本的に同じセッティングですが、最初はできる人、できない人がいるので横滑り防止装置をON/OFFと変えてみたりします。しかし、走行を重ねるとみんなが走れるようになるので、同じクルマで走ることになりますね。

 このプロジェクトは、プロとして通用するドライバーの育成ではなく、バーチャルの世界からリアルな世界へ入ることの気軽さを知ってもらうために行っています。実際にレースに参加するとなると敷居が高いと思われていますよね。でもマツ耐はその敷居を低くすることで、楽しむモータースポーツとして認識してもらうようにしています。この育成プログラムに参加するメンバーもそこを感じて楽しんでもらい、これから先、どんな形でもいいのでモータースポーツに関わってもらえたらと思いますね。

 1期生や2期生の先輩たちも、ピットクルーとして参加してくれたり別のチームで走ってみたり、それぞれ楽しんでくれています。3期生の彼らにもそうなってもらえたらと思っています。

 3期生を迎えてさらに成熟していく育成プログラム。それぞれメンバーによって戦い方は毎回違っているだろうが、根底にあるのは楽しむということ。チームで楽しむ、個人的にも楽しむ、人によってさまざまであろうが、マツ耐は楽しむためのモータースポーツとしてぜひとも出走してみたいレースだなぁと感じずにはいられない。


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