この記事をまとめると
■ロードカー由来のル・マン・ハイパーカーとして「ヴァルキリーLM」発表
■V12自然吸気エンジン搭載で世界10台限定のサーキット専用車
■プロ指導やイベント付きの専用プログラムで究極の体験を提供
ヴァルキリーベースのトラックバージョン
アストンマーティンは2025年6月9日、ル・マン24時間レースへの挑戦と耐久モータースポーツへの華麗な帰還を象徴する新型「ヴァルキリーLM」を発表した。このモデルは、ロードカーをベースにした唯一のル・マン・ハイパーカーであり、サーキット走行専用の限定車である。
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ヴァルキリーLMは、1959年のDBR1以来のル・マン総合優勝を目指し、同社のレーシング・ヘリテージを受け継ぐ記念碑的な存在といえる。FIA世界耐久選手権(WEC)およびIMSAシリーズで活躍する現行のヴァルキリーと基本構造を共有し、自然吸気6.5リッターV12エンジンを搭載。出力は規則により697馬力に制限される。
変速機は7速セミオートマチックのシーケンシャル式で、足まわりにはレース仕様のダブルウィッシュボーンサスペンションと可変ダンパーを採用。F1タイヤサプライヤーを務めるピレリによる、専用タイヤが装着される。
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車内はカーボン製のレースシートや6点式ハーネス、安全装備を完備し、視認性や快適性にも配慮されている。トルク制御やセンサーなど、レース規則に基づく装備は省かれ、扱いやすさとピュアな走行性能を両立する設計となっている。
なお、アストンマーティンは、ヴァルキリーLMのオーナー向けに専用の「ドライバー能力開発プログラム」を提供する。トラック走行に必要な装備一式を提供するほか、専属のプロドライバーやエンジニアが走行前のシミュレーター訓練、サーキットでの個別指導、マシンのセットアップと管理までを一貫してサポートするという内容だ。
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この体験は、「UNLEASHED」イベントとして2026年第2四半期から始まり、F1規格のサーキットでの走行や本社での特別イベントを含む、ラグジュアリーかつ本格的なモータースポーツ体験が用意されている。オーナーには送迎サービスや宿泊先も提供され、没入感ある世界観が演出される。
ヴァルキリーLMは全世界でわずか10台の限定販売となり、2026年のデリバリー開始とともに、耐久レースの極限に迫る唯一無二のオーナー体験が始まる。
極限性能とエレガンスを併せ持つヴァルキリーLMは、アストンマーティンが築く新たなレース体験の象徴であり、真のモータースポーツ愛好家に向けた究極の招待状といえるだろう。