この記事をまとめると
■出光興産がディーゼルエンジンオイル「AshFree」をリリース
■「AshFree」の強みはディーゼルエンジンの煤を発生させないこと
■手動再生が不要になるケースも多くドライバーの負担が減る
新商品の開発によりドライバーの負担を軽減
2003年(平成15年)に、当時の石原慎太郎東京都知事が主導した八都県市(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市)の排ガス規制条例と、その後の自動車排ガス規制により装着が義務化された排ガス浄化装置DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)。2010年以降に製造、販売されたトラック、バスなどのディーゼル車にはすべて標準装備されている。
このDPF(メーカーによってDPD、DPRと呼ぶものもある)は、排気ガスに含まれる煤(粒子状物質)を除去する装置で、走行中または停止中にフィルターに溜まった煤を燃焼させ、取り除くことで排ガスを浄化させる機能をもっている。大型のエンジンを装備するトラックはその煤が大量発生するため、ひんぱんに車両を停止させてこのDPFのフィルターに溜まった煤を燃焼させる「手動再生」を行う必要がある。
従来のディーゼルエンジンオイルを使用した場合のDPF画像はこちら
そのDPFの手動再生により発生する停止時間、待機時間が、ドライバーを無駄に拘束し、その改善が現在トラック業界全体の課題となっている。「物流の2024年問題」の解決手段の一助になると考えた「出光興産」では、そのDPFの手動再生時間を解消させるディーゼルエンジンオイル「AshFree」をリリースした。
このオイルは、DPFの目詰まりの発生原因となる煤を抑えるのではなく、それを根本から「発生させない」というコンセプトを設定。同社独自の添加剤処方技術によって煤のもととなる金属添加剤を使用しないディーゼルエンジンオイルを20年の期間をかけて開発した。
同社では一般的に「煤」と呼ばれるDPFの目詰まりを起こす物質を「灰」と表現。商品名どおり灰を発生させない、アッシュフリーなオイルというわけだ。灰を発生させないことでDPFの手動再生を必要とせず、それによりDPFの寿命延長にも絶大な効果をもち、DPFの整備や交換など高額なメンテナンス費用も大幅に抑えることもできる。
AshFreeを使用した場合のDPF画像はこちら
そしてDPFに溜まる灰を発生させないことで、手動再生に費やしていた労務時間を削減し、ドライバーの負担を大幅に軽減させることができるわけだ。