解決策はルールの撤廃かコース改修か
たとえば、2022年のF1オーストリアGPのトラックリミットの違反は43回、2023年のF1カタールGPでは、57周のレースの中で計51件のトラックリミット違反が記録されている。
F1マシンの最低地上高は60mmで、ドライバーのアイポイントも非常に低く、コクピットに座るとタイヤの端15cmしか見えなくなり、コース脇の白線を視認するのは、たとえ世界最高峰のドライバーたちといえど、非常に難しい。
そうしたなか、予選のアタック中やレースのバトル中に、「白線をはみ出すな」というのは、酷というもの。本当にトラックリミットを優先するなら、コース自体を改修するのが筋だろう。
F1 カナダGPの様子(2025)画像はこちら
たとえば、縁石をギリギリまで高くしたり、コース外をグラベルにしたりして、コース外をはみ出した途端にタイムがドーンと悪化するようにしておけば、ペナルティを与えずに公平性が保てるはず。あるいは、市街地コースのようにコース脇をフェンスで囲ってしまえば、はみ出しようがなくなるわけだが、そうなると、二輪のレースやアマチュアの走行時に危険度が増すので、常設コースでは問題になる。
ならば、トラックリミットに滑りやすい舗装、もしくは滑りやすい塗装を施せば、トラックリミット違反が自然とタイムロスにつながり、ペナルティを課す必要がなくなる……と思うのだが、いかがだろう?
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いずれにせよ、バトルはドライバー同士がコース上で決着をつけるもの。レーススチュワードがコースの外から決めるのは見ているファンにはわかりづらいし、それこそコース外という意味で、本当のトラックリミット違反という気もするが……。