コンパクトカーの定番に
そして1986年に3代目(カローラⅡのみ2代目)となり、全体的なスタイリングイメージは初初代から変わらないものの、この世代でエンジンを縦置きから常識的な横置きに変更。これは基本骨格を前輪駆動、横置きエンジンのスターレットをベースにして開発されたからである。同時に、ホイールベースが短くなり、最小回転半径も縮小し、小まわり性能、駐車性能を向上させている。
トヨタ・ターセル(3代目)画像はこちら
エンジンは1.3リッターの2E-LU型のほか、1.5リッターの3E-LU型を基本とする数種類を用意。ミッションは4/5速MTのほか、ついに4速AT(3速ATも継続)が加わっている。当時、最先端のリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルや1.5リッターターボエンジンを搭載したスポーツモデルも加わっている。
「タコⅡ」の4代目(カローラⅡは3代目)は1990年にデビュー。ボディは3ドアハッチバックと4ドアセダンに整理。内外装の品質が一気に高まったのもこの世代の大きな特徴である。エンジンは1.3リッターの4E-FE型、1.5リッターの5E-FE型などを用意。もちろん、4速ATを選ぶこともできた。CMソングの「月光仮面」を覚えている人もいるかも知れない。
トヨタ・カローラⅡ(3代目)画像はこちら
1994年にはけっこうスタイリッシュになった5代目が登場。廉価な価格を維持するため、基本部分は先代からキャリーオーバー。1.3リッター、1.5リッターエンジンの構成などもそのまま。1996年にはトヨタ最新の安全ボディ「GOA」が採用されている。
ハッチバックのボディサイズは全長3915×全幅1660×全高1370mm、ホイールベース2380mm。グレードは1500EFI VZ(94馬力)、1300EFI アベニュー(88馬力)、1500EFIジョイナス(88馬力)の3タイプでスタートした。
トヨタ・ターセル(5代目)画像はこちら
決してヒット作とはいえなかったものの、こうして5代に渡って昭和のトヨタを支えるエントリーカーとして存在した。エクステリアデザインの評価はともかく、視界がよく、小まわりが利いて扱いやすいコンパクトカーだった「タコⅡ」の3モデルは、1999年(平成11年)に生産終了。
しかしそのポジションは、ハッチバックの枠はヴィッツ、セダンの枠はプラッツ(ヴィッツベースのセダン)として同年に生まれ変わっている。いい変えれば、現在、トヨタの大ヒットコンパクトカーであるヤリス(ヴィッツの後継車)のルーツが、「タコⅡ」や、4代目以降のスポーツ枠を担ったスターレットであったともいえる。
「タコⅡ」、ちょっと気になってきたでしょ?