「タコツー」なんてクルマあったっけ? お笑いみたいな呼び名だけど昭和ヤングがお世話になったトヨタのコンパクト三兄弟を振り返る! (2/2ページ)

コンパクトカーの定番に

 そして1986年に3代目(カローラⅡのみ2代目)となり、全体的なスタイリングイメージは初初代から変わらないものの、この世代でエンジンを縦置きから常識的な横置きに変更。これは基本骨格を前輪駆動、横置きエンジンのスターレットをベースにして開発されたからである。同時に、ホイールベースが短くなり、最小回転半径も縮小し、小まわり性能、駐車性能を向上させている。

 エンジンは1.3リッターの2E-LU型のほか、1.5リッターの3E-LU型を基本とする数種類を用意。ミッションは4/5速MTのほか、ついに4速AT(3速ATも継続)が加わっている。当時、最先端のリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルや1.5リッターターボエンジンを搭載したスポーツモデルも加わっている。

「タコⅡ」の4代目(カローラⅡは3代目)は1990年にデビュー。ボディは3ドアハッチバックと4ドアセダンに整理。内外装の品質が一気に高まったのもこの世代の大きな特徴である。エンジンは1.3リッターの4E-FE型、1.5リッターの5E-FE型などを用意。もちろん、4速ATを選ぶこともできた。CMソングの「月光仮面」を覚えている人もいるかも知れない。

 1994年にはけっこうスタイリッシュになった5代目が登場。廉価な価格を維持するため、基本部分は先代からキャリーオーバー。1.3リッター、1.5リッターエンジンの構成などもそのまま。1996年にはトヨタ最新の安全ボディ「GOA」が採用されている。

 ハッチバックのボディサイズは全長3915×全幅1660×全高1370mm、ホイールベース2380mm。グレードは1500EFI VZ(94馬力)、1300EFI アベニュー(88馬力)、1500EFIジョイナス(88馬力)の3タイプでスタートした。

 決してヒット作とはいえなかったものの、こうして5代に渡って昭和のトヨタを支えるエントリーカーとして存在した。エクステリアデザインの評価はともかく、視界がよく、小まわりが利いて扱いやすいコンパクトカーだった「タコⅡ」の3モデルは、1999年(平成11年)に生産終了。

 しかしそのポジションは、ハッチバックの枠はヴィッツ、セダンの枠はプラッツ(ヴィッツベースのセダン)として同年に生まれ変わっている。いい変えれば、現在、トヨタの大ヒットコンパクトカーであるヤリス(ヴィッツの後継車)のルーツが、「タコⅡ」や、4代目以降のスポーツ枠を担ったスターレットであったともいえる。

「タコⅡ」、ちょっと気になってきたでしょ?


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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