日本じゃ絶滅寸前のステーションワゴン! 一方新興国ではジワジワ人気が増している!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スバル・レガシィアウトバックの終売で日系ステーションワゴンがまた1台なくなった

■1990年代は数多くの国産ステーションワゴンがラインアップされていた

■欧州やアジアではいまだタクシー車両としてステーションワゴンが重宝されている

かつてのブームが嘘のように縮まった国産ステーションワゴン市場

 2025年3月末をもって日本国内では、スバル・レガシィアウトバックが終売との報道が一時相次いだ。在庫販売が続いているものの、日本国内においてついにレガシィが終売となることを惜しむ声も多い。初代以降まさにレガシィ=ステーションワゴン(ツーリングワゴン)であった。アウトバックもステーションワゴンとのクロスオーバーSUVと広く解釈すれば、希少な日系ステーションワゴンがまた1台いなくなったともいえる。

 現状、日本国内で日系ブランドがラインアップしているステーションワゴンは、トヨタ・カローラツーリングとカローラフィールダー(2025年10月生産終了予定)、スバル・レヴォーグくらいとなってしまった。

 1990年代あたりは、日系の各ブランドでステーションワゴンが多くラインアップされていた。前出のレガシィツーリングワゴンの存在と当時のその人気の高さも大きいのだが、日本ではそれまでもステーションワゴンはそれほど珍しい存在ではなかったのだが、貨客兼用イメージを強くさせるように大抵はライトバン仕様も用意されており、ライトバンの5ナンバー版のような色彩が強かった。

 しかし、1990年代はライトバン仕様のない専用モデルも多く、純粋なプライベートカーとしてのブームという雰囲気であった。筆者はコラムシフトとベンチシート(いわゆるベンコラ)仕様もあり、アメリカン・ステーションワゴン色の強かった、クラウンステーションワゴンやセドリックワゴンがとくに大好きだった。荷室の床下に折り畳み式で進行方向と反対側に向いて座る第三のシートも、まさにアメリカン・ステーションワゴンの定番アイテムだったので気分を盛り上げてくれた。

 1990年代あたりまでのハリウッド映画やアメリカのドラマに出てくるママのクルマといえばステーションワゴンが定番であった。アメリカンステーションワゴンのリヤゲートはガラスのみ開閉できるのが当たり前で、それは買い物した食品などを積むときにリヤゲートごと開閉するよりはイージーに操作できる配慮もあったと聞いている。その後、ママのクルマはミニバンに移行し、いまでは3列シートを持つクロスオーバーSUVへとなり、アメリカンモデルではステーションワゴンは死滅している。

 欧州系ブランドでは、ステーションワゴンはいまでも上級ブランドを中心にラインアップを続けている。つい最近デビューしたVW(フォルクスワーゲン)パサートも、先代までのセダンをなくしステーションワゴンに特化してラインアップしている。こうやってみると、ステーションワゴンは2ドアクーペ並みに希少なボディタイプになってきているように見えるが、先進国での動きとは別に新興国では生活が豊かになっていくのをトレースするかのようにステーションワゴンが注目されている。

 最近の新興国開催でのモーターショーで目立つのが、アウディRS6やBMW M3ツーリングのようなハイパフォーマンスモデルのステーションワゴンである。都市在住でアンテナ感度のいい富裕層が注目しているようである。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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