ぐっと新しい水冷モデルはやっぱり安全牌?
996(1997〜2004)
911史上初の水冷エンジン、涙目、ボクスターと半共通ボディなどトピックスに事欠かない996は、水冷初期ということもあるのか、比較的手ごろな価格で見つけられるでしょう。また、お決まりのインターミディエイトシャフト問題についても、これまで耳にタコができるほど世のなかで騒がれているため、コストはともかく対応策もしっかり用意されています。
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時折、パワステポンプからオイル漏れがあったり、インテリアの質感がいささかチープだったりと、細かなクレームはあるでしょうが、それとても996のドライバビリティの前には霞んで見えるはず。
とにかく、涙目は乗っちゃ速い! それまでの911から刷新されたシャシーは、発売当時「首都高最速」かと思ったほど。また、ターボのスパルタン仕様、GT2に至ってはじゃじゃ馬をはるかに通り越した「狂気」さえ感じられたもの。
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むろん、ターボやGT3といった役物は高騰していますが、プレーンなモデルならばもっともお手頃な値段で出まわっているはず。中古911の入門にこれほど適したモデルもないでしょう。
991/992(2011〜2018/2018〜)
数年落ちの一般的な中古車として考えられるのがこのあたり。大きく、重くなったことを度外視すれば、「ポルシェ911に乗っている」という自己肯定感には事欠かないかと。難をいえば役物モデルのプレミア価格くらいでしょうか。とはいえ、よほどのマニアでなければ役物とプレーンの区別などできませんから、代官山に行こうと表参道に乗り付けようと鼻高々でいられること間違いありません。
大きく重いというビハインドとて、3リッターエンジンとPDKの組み合わせは911らしい加速や最高速をもたらします。余裕があればGT3も超オススメで、歴代911はおろか、フェラーリのV8コルサモデルやアストンマーティン、マクラーレンにだって遅れを取ることはありません。走りの性能に関しては完成の域をはるかに越えているとさえいえるでしょう。
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ただし、現行911に乗っているといわれもない妬みやっかみにさらされることも見逃せません。ミーハー扱いされたり、成金呼ばわりされたり、せっかくピュアな気もちで乗っているにもかかわらず、です。しかも、そういったネガを寄せてくる、妙なマウントをとってくるのは他の911ユーザーだったりするわけで、思わず頭を抱えたくなるはず。
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むしろ、そうした試練は、「ナローや964、あるいは996では体験しづらいもの」と捉えれば、新世代911を積極的に選ぶ理由になるかもしれません。なにせ高性能ですから、嫌なことはタイヤのカスと一緒に走っていれば消え去ってくれるのです。