「一番大きなトロフィが取れなくて悔しい!」 21歳の女子ドライバーが37歳年上の相棒とレースを闘った (2/2ページ)

クラシックカーレース挑戦3回目にして初の表彰台をゲット

 2025年6月15日、「JCCA筑波ミーティング・アーリサマー」が開催された。佐々木選手が出場するのは、1968年までに生産されたS68クラスで、1975年までの生産車によるS75、1965年までのS65という3つのクラスが混走するSレースだ。年式や排気量で有利なS75クラスのブルーバード1800SSSが一大勢力であるが、フェアレディZ432、ホンダ1300、アルファロメオ、ポルシェ911、BMW2002といった往年のライバルがひしめく見応え十分なクラスだ。

 これまでも予選ではクラストップタイムを出すなど一発の速さには定評のある佐々木選手にとって、3度目となるJCCAのSレース。レース当日の予選はレインコンディション。前回は同様の条件で予選クラスポールポジションを獲得しているだけに期待が高まるが、この日はタイヤの内圧を上げられず、タイヤの美味しいところを使えないまま予選終了となった。

 予選結果はブルーバード1800SSとフェアレディZ432がそれぞれ予選1番手、2番手。3番手、4番手には2台のアルファロメオが続く。佐々木選手のSRはそれらから遅れること約2秒の6番手スタートとなった。

 そして、いよいよ決勝レースが始まる。キャブ車のスロットルワークに慣れず、過去にはスタートでエンストしたこともあったが、今回は無事にスタート。じつはスタートに失敗したときのレース展開もシュミレーションしていたという。

 ストレート速度に勝る2台のアルファロメオにコーナーで追いつき、直線で離されるという展開ながらもチャンスをうかがい、まずは1台をパス。最終ラップではもう1台のアルファロメオに迫る佐々木選手であったが、ここでチェッカーフラッグが振られ、わずか0.25秒及ばず。総合5位・クラス2位でレースは終了した。

「一番大きなトロフィを取れなかったのは悔しいけれど、終わってみたら楽しいレースでした」とレース後に語ってくれた佐々木選手。クラシックカーレース挑戦3回目にして表彰台に上がれたことに、本当にうれしそうな笑顔を見せてくれた。

 スケジュールの関係で、佐々木選手のJCCAクラシックカーレース次戦は2026年になりそうだが、7月19・20日にはKYOJO CUP Rd.2が開催される。全日本スーパーフォーミュラ選手権と併催となる一大イベントだけに、気合も入ることだろう。カーナンバー8”Kids com Team KCMG”佐々木藍咲選手の活躍に期待したい。


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