最新車だからって無縁のトラブルじゃない! 真夏の「オーバーヒート」に要注意!!

この記事をまとめると

■夏の猛暑はクルマの冷却系トラブル、とくにオーバーヒートに要注意

■原因は冷却水不足やファンの故障など多岐にわたり放置するのは危険

■フェイルセーフに頼らず、定期点検と早めの対応で故障を防ごう

最新のクルマでも油断は禁物

 今年の夏も暑い。梅雨明けは例年以上に早く、6月から各地で猛暑日が!

 こう暑いと、クルマの冷却系のトラブルだって、心配になってくる。その代表例がオーバーヒート。昭和のクルマではかなりポピュラーなトラブルだったものだ。

 メーターパネルから水温計がなくなり、水温警告灯しかついていないこともあるいまのクルマには無縁のトラブルに思えるかもしれないが、冷却水漏れやウォーターポンプ、サーモスタットなどにトラブルがあれば、最新のクルマだってオーバーヒートになることはありえる。

 オーバーヒートとは、そもそもどんな症状のことを指すのか。オーバーヒートとはエンジンの冷却水が適正温度以上に上昇し、沸騰、もしくは上昇限度温度領域=レッドゾーンに入ってしまった状態のこと。あるいはエンジンの発生熱量が、クーリング性能を上まわってしまった場合に起きるエンジントラブルのことだ。

 水の沸点は100度というのは常識だが、エンジンの冷却経路内は基本的に密閉されているので、100度で即沸騰とはならない。適正温度も80~95度ぐらいがひとつの目安で、電動ファンのスイッチが入るのが100度近くに設定されているクルマも少なくないぐらいだ。したがって、「水温のレッドゾーン」といえるのは105~110度ぐらいだと思えばいい。

 オーバーヒートになる原因は、ホースやラジエターからの冷却水漏れやラジエターのフィンの異物、ウォーターポンプ本体やその駆動ベルト、サーモスタット、冷却ファンなどのトラブルが考えられる。またエンジンオイルの不足や劣化で油温が上がり、それにつられて水温が上昇してオーバーヒートになることも……。

 もっとも、いまのクルマなら水温がかなり上昇してきた時点でフェイルセーフが介入してオーバーヒートを未然に防ぐ機能があるので、めったなことではオーバーヒートにはならない。もしも赤い水温警告灯が点灯したり、水温計の針が「H」にまで達してしまったら、なるべく早く安全な場所にクルマを止めて、エンジンをかけたままボンネットを開け、エンジンルールの熱気を逃がして水温が下がるのを待つようにしよう。

 もし冷却水が明らかに漏れていたり、電動ファンが動いていないようならエンジンを止めないといけない。できれば、そのままJAFなどのロードサービスを頼み、ディーラー等に運んでもらって点検を受けるのが一番だ。

 オーバーヒートの症状に気づかないまま放置すると、シリンダーヘッドガスケットが破損したり、シリンダーヘッド自体がゆがんだり、ピストンなどのエンジン内部のメタルが焼き付いたりと、エンジンに致命的なダメージを与えることにもなりかねないので、オーバーヒート症状を軽視するのはとっても危険だ。

 ちなみに冷却水は1年間で300~500ccほどは自然に蒸発して減っていくもの。エンジンが冷えている状態のときに、クーラントのリザーバータンクを点検し、クーラントの量がタンクのLOWの目盛からFULLの目盛の間にあるかを確認しておきたい。

 もしもLOWに近かったり、不足しているときは、市販の補充用冷却水を足しておくこと。今年も長く厳しい暑さが予想されるので、夏休みに入る前に一度冷却水の点検を!


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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