ベトナムの販売台数トップはまさかの地元メーカー「ビンファスト」! ただしバスにタクシーにライドシェア車両で稼いだ数字 (2/2ページ)

バイクからバスや鉄道まで幅広く手がけるビングループ

 ビンバスもいくつかの路線に限定して運行している状況であり、タイの首都バンコクのようにほぼほぼ走る路線バスがBEVということにもなっていない。ただ、2035年を目標に市内を走るバスすべての電動化をめざしているとのことであった。

 ハノイはフランス統治下に都市設計された中心市街地のほか、新興市街地、さらに郊外の開発地域と都市化が拡大しているが、とくにフランス統治下の面影を感じる中心市街地における地下鉄工事は端で見ているだけでもかなり時間がかかりそうに見える。そのため、観光の足はライドシェアやタクシーというものもあるが、路線バスが観光だけではなく、市民の日常生活の移動手段でも重要となっており、路線網もかなり緻密なものとなっているので、全車両電動化による大気汚染や気候変動対策への効果はかなり期待できるといえるだろう。

「ビンバス」と呼ばれるビンファスト製BEVバスは、大型タイプと中型タイプが運行している。今後もBEVバスはビンファスト製一択となっていくのかは定かではないが、ベトナム国内では韓国ヒョンデの存在感も強いので、本格的な車両電動化が進んで行けば、ベトナム、韓国、そして中国あたりのBEVバスをハノイ市内で見かけることにもなるかもしれない。

 海外ではビンファストといえば、乗用BEVに限定して展開しているのだが、ベトナム国内では乗用BEVのほかにバス、そしてICE(内燃機関)乗用車もラインアップしている。乗用BEVではタクシーなど業務用に使われているケースの目立つモデルも多いが、マイクロコンパクトSUV風BEVとなるVF3はほぼ個人ユースとしてかなり多く売れているし、ICEでは「Fadil」というSUV風コンパクトハッチバックがよく売れている。中心市街地を中心に道路が狭かったりするので、コンパクトなモデルが好まれるようである。

 とはいうものの、VF8やVF9(ともにBEV)や、LUX系(ICE)といった大型モデルも見かけるので、意外なほどバランスよく売れているようにも見える。

 また、電動バイクでもビンファスト車は多く走っており、ベトナム国内ではBEVだけではなくICEもあり、さらに電動バイクから大型バスまでラインアップする総合自動車メーカーとなっているのである。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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