けっこう新しいと思ってたけどもうクラシケ入りなの? いまなお不動の人気を誇るV8フェラーリ「348」と「F355 」 (2/2ページ)

基本骨格はそのままにさらに進化

 だが、このジェネレーションのV型8気筒ミッドシップ2シーターの進化は、それだけでは終わらなかった。最初にも触れたように、フェラーリは348シリーズのビッグマイナーチェンジ版として、1994年に新たにF355シリーズを発表。

 基本的なシルエットこそ348シリーズのそれに等しいものの、よりスポーティなディテールが与えられたボディに、車名が物語るとおり新開発の3.5リッターV型8気筒DOHC 5バルブエンジンを組み合わせたF355は、デビュー時から大きな話題を呼び、当初はクーペのGTBとタルガトップのGTSが、そしてデビュー翌年の1995年には、348と同様にフルオープンのスパイダーが追加されるに至っている。

 F355に搭載されたV型8気筒エンジンが発揮した最高出力は380馬力。これにフェラーリとしては初採用となった6速MTが組み合わされたのがパワーユニットの構成で、1997年には2ペダルのセミAT、「F1マチック」搭載車も登場。これにより、F355シリーズの人気はさらに大きく高まったのである。最終的にF355は1999年まで生産が継続され、後継車の360モデナへとその市場を譲ることになる。

 つまり、もっとも新しいF355でも、新車でのデリバリーからはすでに25年以上の時を経ているわけで、それはフェラーリの定義によれば、生産から20年以上を経たクラシケ、すなわちクラシックモデルと位置づけられることになる。

 348、そしてF355の両シリーズは、ピュアなスーパースポーツとしての魅力とともに、今後はクラシックフェラーリとしての価値をも強くアピールする存在となっていくのだろう。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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