移動型店舗としていま注目する事業者が増加中! トレーラーハウスってなに? (2/2ページ)

トレーラーハウスには道路運送車両法が適用される

 トレーラーハウスは、この「移動できる」というところがミソなのである。建物は建築基準法に従って造らねばならず、その手順、手続き、制限は非常に厳しい。また、建築費用に関しても近年の資材の高騰や、職人の確保が難しいなどといったことから、上昇の一途を辿っている。建築後は、建物の維持コストも必要だ。そのために、一度建設すると投資の回収には、相当の年月、労力を要する事業になるのだ。

 これに対してトレーラーハウスは、建築基準法ではなく道路運送車両法の適用になる。相当の大きさをもつトレーラーなら、車両としては決して取得、維持のコストは安くはないものの、建物に比べればかなり費用を抑えられる。また、キッチンカーのように場所を変えることも難しくないので、季節営業、臨時営業、イベント営業などには向いているといえるだろう。

 具体的には宿泊施設や小売店舗といった利用が多く、それらに対してトレーラーハウスをレンタルする事業者もいる。さらに、結婚式場や葬儀場として使用している例もあるという。

 これらのホールは建設すると場所や規模などが固定されるが、近年は小規模なものや式前後の宿泊など、ニーズの多様化が顕著になっている。そこで、必要に応じて式場、控室、宿泊施設、キッチンスペースなどを組み合わせて提供するのだ。

 ユーザーニーズの多様化による先行きの見通せないマーケットを考えるとき、これまでのような恒久的施設で対応するのは必ずしも効率的とはいえない。すべての小売・サービス業がトレーラーハウスを利用するわけではないのだろうが、今後は屋台のような移動型サービスが増えていくことは間違なさそうだ。


この記事の画像ギャラリー

新着情報