なぜ「車中」じゃなく「車上泊」なのか? もちろんある「なんとなく楽しそう」以外のメリットとは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■車中泊は日本の自動車文化のひとつ

■いま車中泊ならぬ「車上泊」が注目されている

■あえて車上泊を選ぶメリットについて解説する

車中泊が難しいクルマにとっての救世主

 いまや「車中泊」は日本の自動車文化のひとつになっている。道の駅やサービスエリアに行けば、夜中に仮眠・休憩しているクルマを見かけることは珍しくない。車中泊の盛んな場所に行くと、何十台ものクルマが車中泊を楽しんでいる様子を見ることもできるほどだ。

 そうした楽しみ方の是非についてはひとまず置いておくとして、このところ車中泊ならぬ「車上泊」という言葉を目にすることが増えている。クルマの上に泊まるといわれても、どんな風にするのかイメージがわかないかもしれないが、「ルーフテント」と呼ばれるアイテムを使うのが車上泊だ。

 画像を見てもらえばわかるように、汎用のルーフキャリアを取り付け、その上に載せるというのが基本的な取り付け方。ルーフテントは、格納時にはルーフボックスのような形状なので違和感もなく、それでいて展開するだけでテントとなるというアイテムである。

 一見すると、車内よりも安全面や快適性に劣るようにも感じるルーフテントだが、車中泊でなく、あえて車上泊を選ぶメリットは何があるのだろうか。

 まず車中泊がそもそも厳しいようなパッケージの愛車で、それでも気ままなドライブ旅行に出かけたと思ったら、ルーフテントを利用した車上泊しか選択肢がないともいえる。狭い車内でなんとか寝床を確保するよりも、よっぽど快適に休むことができるはずだ。

 一般論としてルーフテントを載せると重心が上がってしまいコーナリングなどで気をつかう必要も出てくるが、そもそも全高の低いクルマであれば、そうしたネガも最小限となる。

 車中泊スポットではテントを張ったりすることは原則禁止だが、専有面積として車両の範囲をはみ出さないルーフテントであれば展開して利用することも可能だろう。つまり車中泊が難しいクルマにとっての救世主ともいえるのだ。

 すでに車中泊を楽しんでいるワンボックスなどでもルーフテントは有効だ。子どもが小さいうちは家族そろって車内で横になることができても、成長に伴って狭く感じるようになってくる。そうしたケースではルーフテントをプラスすることで、車中泊+車上泊というハイブリッドにすることでスペースを一気に広げることができる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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