この記事をまとめると
■ ポルシェが「911 GT3」シリーズ初のオープントップモデル「911 GT3 S/C」を発表
■ 510馬力の自然吸気4リッター水平対向6気筒に6速MTのみを組み合わせる
■ 限定モデルではなくレギュラーラインアップとして設定され価格は3843万円
シリーズ初のオープントップ
ポルシェが2026年4月15日、「911 GT3 S/C」を発表し、予約受注を開始した。「S/C」とはスピードスター/カブリオレを意味するとされ、そのネーミングが示すとおり、GT3シリーズとして初めて電動ソフトトップを採用したオープントップモデルだ。
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驚くべきは、この手のクルマにしては考えられないほどの割り切りぶりだろう。トランスミッションは6速MTのみの設定で、PDKのような2ペダルギヤボックスは一切用意されない。911 S/TやGT3と同等のショートファイナルギヤと組み合わせられるそのトランスミッションは、ドライバーとの対話を最優先にするポルシェGT部門の哲学そのものだ。
搭載されるエンジンはもちろん、GT3譲りの9000rpmを許容する4リッター水平対向6気筒自然吸気。最高出力510馬力・最大トルク450NmはクローズドトップのGT3と同一で、0-100km/h加速は3.9秒、最高速度は313km/hをマークする。
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オープントップモデルといえば、クローズドボディと比べて大幅な重量増が避けられないのが定説だ。しかしポルシェGT部門責任者のアンドレアス・プロイニンガー氏が述べるように、このクルマはその常識に真っ向から挑んでいる。
その車重は、欧州仕様で1497kg。電動ソフトトップの重量増を吸収するため、ボンネット、フロントフェンダー、ドアなどにCFRPを採用し、マグネシウム製センターロックホイール(フロント20インチ・リヤ21インチ)の採用で回転質量を約9kg削減。さらにPCCBとリチウムイオンバッテリーの標準装備がそれぞれ軽量化に貢献している。結果として、クローズドトップの911 GT3の標準車(1462kg)に対して、わずか35kgの増量に抑えた。
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ソフトトップは約12秒で自動開閉し、50km/h以下であれば走行中の操作も可能だ。クローズ時にはマグネシウム製リブの採用によってクーペに近いルーフラインを実現するという。
スペック面での興味深さだけでなく、このクルマの立ち位置も注目に値する。2019年に発売された「911スピードスター」が限定モデルだったのに対し、911 GT3 S/Cはレギュラーラインアップとして設定された。つまり、手にいれるチャンスが継続的にあるということだ。
エクステリアは黒塗りのフロントウインドウフレームや「911 S/T」共通のドア・フェンダー形状を採用し、インテリアは当然2シーターのみの設定。オプションで「ストリートスタイル・パッケージ」も用意されており、パイロットレッドのデカール、ビクトリーゴールドのブレーキキャリパー、積層ウッドを使った専用シフトノブなど、個性的なカスタマイズも楽しめる。
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価格は税込3843万円。クローズドトップの911 GT3でもっともミニマムな構成をチョイスすると2868万円からのスタートとなるため、比較すると約1000万円高のプライスタグということになる。この数字をどう見るかは人それぞれだが、6速MTのみ、2シーターのみ、オープンのみというこの割り切りに惚れた人には、唯一無二の選択肢になるだろう。