「トラックが悪い!」は確かだけど事故ったら痛いのは自分!! 自転車&歩行者も自衛するべきトラックの巻き込み事故

この記事をまとめると

■トラックによる巻き込み事故が頻繁に起こっている

■周囲のトラックへの過信が原因のひとつだ

■大型トラックの特性や挙動について解説する

内輪差による巻き込み事故が多い

 交差点において、自転車が左折してきた大型トラックに巻き込まれた。このような痛ましい事故は、毎日といっても過言ではないほど発生している。普通に考えるとトラックが悪いという流れになるのだが、近年のネットニュースを見ていると、不思議なほどに自転車側の過失を疑うコメントが多い。確かに、最近の自転車や歩行者による傍若無人ぶりは目にあまるものがある。そのようなリアルを体感しているからこそ、自転車や歩行者に対する辛辣なコメントがネットなどに綴られるのだろう。

 車体が大きく運転席が高い位置に存在する大型トラックで考えると、乗用車とは比較にならないほどの死角が生じる。それに左折するからといって、助手席側のサイドミラーばかりを見るわけにはいかない。左側はもちろん前方の状態、そして右後部の状態。全長が長いため内輪差や外輪差が生じるため、すべての方面に注意を向けながら左折しなければならないのだ。そんなドライバーの一瞬の隙をついて自転車や歩行者が現れた場合、巻き込まれてしまう可能性が高くなるのである。

 自転車や歩行者は、なぜか不思議と自動車側を信じてしまう傾向にある。どのような場面であっても「クルマが止まるだろう」と思い込んでいるように感じるのだ。そこで考えてほしいのが、自転車や歩行者の目線からドライバーの顔が見えますかというところ。もちろん、車両のミラー越しでも構わない。ドライバーと目が合っていれば、向こうからも自身の存在が確認されているため安全だと考えてもいいのだが、ドライバーの顔が見えない状況であれば、もちろんドライバーからも自身が見えていないことになる。そう、自転車や歩行者の存在に気づいていないかもしれないのだ。

 そのような状況で安易に突っ込むことは、危険極まりない。いくらトラック側に過失が生じるとはいっても、命や体を張ってまで先を急ぐことはない。見ず知らずの他人を信用するのではなく、ぜひとも自身の洞察力と判断力を養ってほしい。

 大型トラックとなればなおさらで、先に述べた内輪差による巻き込み事故が非常に多い。そしてトラックは、助手席側の後方を目視できない構造であるため、猛スピードで走る自転車が突然現れて突っ込んできたところで、対応できないことが多い。そもそも左折しようと減速している大型トラックの左横スレスレを走り抜けていく自転車を見かけることがあるが、危ないとは思わないのだろうか。というより、危険なだけではなく一種の迷惑行為であるとさえいえるだろう。

 どれだけ早く目的地に到着するかではなく、自宅へと無事に帰り着くことがなによりも大切なこと。自転車や歩行者側にも、「もしかしたら自分の姿が見えていないかもしれない」という「かもしれない」の精神をもって、安全に過ごしていただきたい。


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