街道仁義はどこいった!? かつてトラックドライバーを務めトラックを愛する男が嘆くいまどきの身勝手運転 (2/2ページ)

現在は自分勝手な運転が目立つ

 現在ではトラックを降りたのだが、仕事柄全国各地を走ることが多い。そのときに、現代ではトラックドライバーの街道仁義が少なくなったと感じるようになった。速度抑制装置によって時間的余裕がなくなったことが災いしているのかもしれないが、さすがはプロドライバーだと感心させられるようなことがあまりにも少なくなったのである。

 追い越し車線を猛スピードで走る乗用車がいるにもかかわらず急な車線変更をしたり、併走状態であっても追い越される側のトラックが速度を緩めないなど、自分勝手な運転をするトラックドライバーの姿が、やけに目立つようになってしまったのだ。これは、あまりにも嘆かわしいことである。トラックを愛し、そしてドライバーの苦労がわかる筆者であっても、その横柄な運転に腹を立ててしまうことが多い。

 荷物を積んだトラックは、乗用車のように止まれなければ曲がることもできない。そのようなモンスターを運転しているにもかかわらず、安全マージンを取らずに走行しているトラックを当たり前のように見かけるようになった。これは、昭和や平成中期までの時代では考えられないようなことである。

 真のプロドライバーとは横柄な運転をすることではなく、周囲に悪しき影響を与えないような運転をするドライバーのことを指す言葉。もちろん乗用車のドライバーも質が悪くなった感は否めないが、人の命を簡単に奪ってしまうような巨体を操る以上、つねにプロドライバーとしての自覚と誇りを持ってハンドルを握ってもらいたい。そして、悲惨な交通事故が少しでも減って快適で安全な交通社会が築かれることを、切に願う次第である。


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