この記事をまとめると
■ここ数年は乗用車の納期遅延が話題にあがることが多い
■車種によっては納期が1年を超えることもある
■トラックの納期が遅れることはあるのだろうか
近年クルマの納期が長くなる傾向にある
いうまでもないが、クルマはスーパーマーケットの棚に並んだ商品のように、ほしいと思ってすぐに手に入るものではない。オプションやボディカラーなどを指定して契約し、それらが装備されるのと並行して車庫証明などの手続きをし、すべてが整ってから手もとに届く。
とはいえ、乗用車の一般的な車種は実際に注文が入っていなくても、販売見込みを立ててあらかじめ生産しているから、注文から手もとに届くまでは車種、グレード、カラーによって差異はあるものの、おおよそ1カ月程度で納車されるという。
ところが、ここ数年はその期間が伸びる傾向にある。車種によっては半年や1年待ち、なかには納期が1年を超えて受注停止になったものもあるらしい。確かに、これまでも納期が長かった時期がないわけではない。昭和世代なら、すぐに思いつくのがバブル経済期だ。この時期は、需要が爆発的に伸びたことで生産が追いつかなかったのである。
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このことからもわかるように、自動車の納期は需給に密接な関係がある。メーカーは需要を見越して生産するから、本来はそれほど納期が遅れるということはない。バブル経済期は異常な需要の進捗が原因だったが、それ以降は供給側に問題が起きていることがほとんどだ。
たとえば、2008年の上海万博や2010年の北京オリンピックに向けて、中国経済が活性化したころには、鉄鋼などの資材が不足したことで、一部の自動車生産工場の稼働が停止した。そのため、供給量が減少して納期が延びてしまっている。ただ、2008年にリーマンショックによる世界的な経済の低迷が発生し、需要が一定程度下がったことで今回のような事態にはならなかったようだ。