まずは最強のGT 63 S Eから。能ある鷹は爪を隠す、の如くピットロードはハイブリッドらしいモーター走行で静かに流れていく。加速の鋭さは、気が遠のくほどの実体験をした身として、レーシングコースに合流してアクセルペダルを踏み込む力にためらいもあるが、幸い先導ペースカーがいるので、ある程度加速Gに慣れてから勇気を振り絞ることにする。
続く100Rのコーナリングは4WDということを含めてもアンダーステアの度合いは極めて少ない。100Rのクリッピングポイントから先はフロントタイヤからのスキール音発生と同時にアクセルをわずかに絞るだけで、狙ったコーナリングラインに容易に戻る。路面を確実に掴むグリップ力、ロードホールディングの素晴らしさは純正装着として専用開発したミシュラン・パイロットスポーツ S 5の運動性能によるもの。
それを如実に感じるのが100Rと、もうひとつは最終コーナー手前のツイスティな区間だ。13コーナーやGRスープラコーナーは、それぞれ立ち上がりで曲がりきれていないのにアクセルを必要以上に踏むアンダーステアを誘発するポイント。ここでもGT 63 S Eはまるでスリックタイヤを装着しているかのようにロングノーズがインを向く。