市販モデルが大人気「ランクル250」の戦闘力とは? 全日本ラリーにガソリンモデルが参戦! (2/2ページ)

制御面での課題が残る

 ちなみに、三浦選手はダカールラリーをはじめとするクロスカントリーラリーの経験が豊富で、トレーニングの一環として全日本ダートトライアル選手権にも参戦した経験をもつが、国内のスプリントラリーの経験は少ないようで、「10年ぐらい前にダカールラリーにドライバーとして参戦する前に、トヨタのラリーチャレンジにトヨタ86で参戦したことはありますが、スプリントラリーはそれ以来になります。ペースノートで走ることに慣れていないので、ノートを作る難しさはもちろん、ノートの精度、それにノートを信じて走ることができるのか……という難しさもありますね。まずは距離を走らないと経験値は上がらないので、とにかくフィニッシュすることをターゲットに走りたいと思います」と意気込みを語る。

 こうしてランクル250としては初の競技デビューとして注目を集めるなか、三浦選手は5日のレグ1へチャレンジ。「木にぶつけて右のミラーを壊しましたが、それ以外は無事に走れました。ダンパーの減衰力を変えたことで足まわりはよくなってきたんですけど、ギヤが落とせなかったり、ABSが入ったりと制御が介入してくるので、なかなかペースを上げることができませんでした」とのことで、クラス6番手でレグ1をフィニッシュした。

 続く6日のレグ2も、「石かなにかを踏んだことで左のフロントのナックルを曲げたんですけど、それ以外は問題ありませんでした」とのことで、結局、三浦選手はランクル250のデビュー戦をクラス6位でフィニッシュ。

 ちなみに、三浦選手×ランクル250は9月5〜7日に北海道帯広市を舞台に開催される全日本ラリー選手権・第6戦「ラリー北海道」にも参戦する予定だ。

 三浦選手は、「今回制御が入りましたが、これも競技に出ないとわからないことですからね。オートマチックの制御はクルマ全体のコントロールを主導しているので、すぐに対策することは難しいと思いますが、ABSはなんとか次戦までに対策したいです。詰められるところを詰めていって、プロジェクトを前向きに進めたいですね」と語っているだけに、今後の進化に注目したいものだ。

 なお、全日本ラリー選手権の第6戦「ARKラリー・カムイ」ではGRヤリスRally2を駆る奴田原文雄選手がJN-1クラスを制したほか、GRヤリスの大竹直生選手がJN-2クラス、GR86の山本悠太選手がJN-3クラスを制覇。JN-4クラスを制したのはスイフトの高橋悟志選手で、ヤリスを駆る松倉拓郎選手がJN-5クラス、GRアクアを駆る天野智之選手がJN-Xクラスでチャンピオンに輝いた。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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