利用者にわかりやすい定休日の実現が必要ではないか?
トヨタ系ディーラーは、当然世界一の販売台数を誇るトヨタなので、新車ディーラーとしても最大手といった存在。他メーカー系ディーラーよりは多少ながら働き手不足の深刻度合いも低いのか、1カ月を通して週1日だけもしくは、月の半分だけ週2日定休とするなど、できる限り店を開けるようにしてきたのだが、“いよいよトヨタディーラーもか”ということで、“新車ディーラーは週2日定休なのが当たり前”となりそうである。
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ただし、新車ディーラーは単に新車を販売しているだけではなく、販売した車両を中心に点検や整備、車検、そして修理を行う重要な場所にもなっている。新型コロナウイルスの感染拡大がひどかったころ、多くの小売店では政府の外出自粛要請もあり、店を閉めていた時期でも、時短営業には踏み切ったものの、車検入庫窓口でもあるので、新車ディーラーはほぼ通常営業を貫いている。
ただ、店で働くスタッフのことを考えれば、定休日が多くなるのもやむを得ないのだが、働き手不足が改善されないなか定休日が増えていけば、当然営業日にそのしわ寄せがきてしまう。休めるか休めないかだけでの問題が改善されても、スタッフひとりあたりの労務負担全体は変わらない。とくに車両の整備などを行うメカニックへのしわ寄せは容易に察しがつく。
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“ダラダラ交代で休みながら店をあける日を多くするよりは効率的”とする話もあるが、長い目で見るとディーラー各店舗では、メカニック数をかなり絞り込み、軽整備だけを受け付けるようにして、車検や法定点検は各地の新車販売業界団体の肝いりで、メーカーの垣根を超え、各メーカー系ディーラーのメカニックがそこに集まり作業が行える、“メガ整備工場”のようなものを作って対応するようにしていくのも一考かもしれない。
BEV(バッテリー電気自動車)となると、ICE(内燃機関)車よりは部品点数も少ないので、その普及が現状を打開してくれるのではないかとの声もあるが、すべてのクルマがBEVになるといった時代が果たしていつ来るのかすら確かでもないし、今後BEVは普及していくだろうが、整備現場としてはICE車との混在が続くので、より面倒なことになりそうだと筆者は考えている。
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物理的に“年中無休営業”などは実現できそうもない状況なのは確かななか、まず“新車ディーラーはすべて週2日定休”とし、さらに“月曜日は床屋さん”、“火曜日が美容院”、“水曜日は不動産屋さん”といった感じで、“新車ディーラーは火曜・水曜が休み”と統一することで利用者にわかりやすい定休日の実現が必要ではないかと考えている(月末は忙しいので最終週のみ火曜のみ定休とかにしてもいいのでは)。
きちんと休むことに異論はない。ただ、資本やメーカー系が異なると定休日も変わってくるとなると、新車購入時のお客の流動性すら損なわれてしまう(面倒くさいから同じブランドを乗り続ける)ので、業界全体の活性化のためにも休み方に統一性をもたせるのは大事なのではないかと考えている。