決勝は高い気温でBSタイヤ勢が優位に
13日(日)の決勝日では、気温がぐんぐんあがり28度くらいを示します。このワンメイクレースではサスペンションやマフラーなどは認定パーツなら交換が可能ですが、ナンバー付き車両でのレースということもあり、極端な車高ダウンなどもできないため、ほぼ性能差はありません。
タイヤはブリヂストンかダンロップから選択することになり、井口と久保はブリヂストン、奥本と小暮はダンロップを選んでいます。
ダンロップタイヤを選択したレカロレーシング画像はこちら
前戦のスポーツランドSUGOでも気温が高くなり、ダンロップタイヤは暑さにマッチングせず、ブリヂストンの後塵を喫することになりましたが、今回も予選上位をブリヂストン勢が占め優位な情勢です。
そして、気温と路面温度を考慮してタイヤの空気圧をシビアにコントロールすることが、このワンメイクレースにおいて重要な要素になります。
十勝スピードウェイは1周3405mでほかのコースに比べるとコース長が短いこともあり、14周と周回数も多くなります。高低差が少なく直角に近いコーナーが多いこと、コースサイドの土がコースに入りダスティなことなどもあり、周回数は多いながらも抜きどころが難しいコースでもあります。しかし、全車タイム差が無いことで、コース上でのバトルも多くなり見応えのあるレースが予想されます。
十勝スピードウェイでは土煙が舞う画像はこちら
今回の十勝大会ではコーナーの立ち上がり部分にボラードと呼ばれる棒が設置されました(一般道や高速道路にもある赤い棒)。これはコースを逸脱して走路外走行を抑制するためのもので、当たれば車両に傷が付きますが、ある程度の速度で走り抜けるとポラードが折れたりのします。
決勝レースの1周目は団子状態でコーナーに入っていくこともあり、早速このボラードがいくつか倒されてしまいます。そのため2〜3周目にコース上に散乱したボラード回収のためセーフティーカーランが行われました。
コース上にはボラードが設定される画像はこちら
その後は随所で激しい攻防が繰り広げられ、2位からスタートした井口は、途中ひとつポジションダウンを落として3位でゴールするかと思いきや、最終ラップの最終コーナーで後続に横に並ばれ、チェッカー直前でスリップを使われて抜かれ、悔しい4位となってしまいます。
チェッカー直前のオーバーテイク画像はこちら
奥本は9位となり、久保は当初9位でチェッカーを受けたものの走路外走行のペナルティを受けてしまい16位という結果に。レカロレーシングの小暮は21位完走というレースになりました。
井口は「決勝のスタートで今週のすべてが決まったという感じだった気がします。クルマの仕上がりはいいのですが、前に追いつくほどの速さはなかったし、後ろを抑えるほどの余力もなかった感じです。最終ラップでライバルがコーナーをバシッと決めてきて、チェッカー直前で抜かれたのは悔しいです。しかし、ファステストの1ポイントを獲得できたので、着実にポイントを稼げているのはいいことです」とレースを振り返ります。
レースを終えた井口卓人選手画像はこちら
9位でポイント獲得した奥本選手は、「レースの結果としては悔しいですけど、占有走行で全体トップを取れたのは非常に嬉しいですし、自信にも繋がりました。ダンロップタイヤと気温やコースとのマッチングを合わせ切れなかったのが予選の結果かなと思います。とはいえポイントも取れましたので、コツコツ上位を狙って走っていきたいですし、どんなときでもダンロップ勢のトップで行きたいという意気込みでレースに挑んでいきます」と語ります。
レースを終えた奥本隼士選手画像はこちら
また、クラブマンクラス唯一のBRZでの参戦となったレカロレーシングの270号車、江原聖洋選手の走りにも期待されましたが、決勝レース1周目でミッションブローによりリタイヤとなってしまいました。クラブマンクラスでのBRZは少数派なのでこちらも応援していきたいところです。
クラブマンクラス唯一のBRZとなる270号車画像はこちら
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup2025はシリーズ後半戦に入っており、次回第5戦は10月4〜5日に鈴鹿サーキットで開催されます。どのようなレースになるのか非常に楽しみです。