リヤシートを回転させると荷台が出現する謎のクーペ! オモシロ系コンセプトかと思いきや「クインテセンザ」は2145馬力の怪物カーだった (2/2ページ)

新本社設立でこれまで以上に斬新なデザインソリューションを提供

 さらなる進化を遂げたクインテセンザには、エラフェ社によるエレクトリックモーター技術が導入された。モーターを各ホイールに搭載する、いわゆるインホイール型のパワートレインレイアウトがそれだ。エラフェ社のソニック1と呼ばれるモーターは、1基あたり341馬力のピーク出力を発揮するというが、クインテセンザはそれをはるかに上まわる出力を発揮するという。結果、クインテセンザは4輪トータルで2145馬力の最高出力を得ることに成功しているとのことだ。

 EVのパワー戦争はいまに始まったことではないが、2000馬力というラインをさらに超越するクインテセンザのスペックは、やはり刺激的というほかはない数字である。

 はたしてその2145馬力がフルに路面へと伝達されたとき、ドライバーはどのような印象をクインテセンザに対して抱くだろうか。表現はさまざまあるだろうが、それは現在市場にあるスーパースポーツをはるかに超える、これまでに体験したことのない世界であることは間違いないはずだ。

 前で触れたブルームフィールドの新本社は、イタルデザインをさらにグローバルな企業へと発展させる重要な拠点となる。同社のCEOであるアントニオ・カス氏によれば、アメリカのカスタマーにこれまで以上に革新的な技術、そしてもちろんデザインにおけるソリューションを提供することが、新本社設立の直接の理由であったとのこと。クインテセンザはそのための序章にほかならないのだ。

 もちろんイタルデザインが意識するのはアメリカ市場だけではないのは確かなところ。はたしてイタルデザインは今後の展開にどのようなビジョンを描いているというのだろうか。その動向には世界中からの注目が集まっている。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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