スーパーGT黎明期から参戦し続ける名コンストラクターチーム! 「30号車 apr」【SUPER GT 2025 GT300クラス オールチームラインアップ】

日本が誇る名コンストラクター直系チーム

 aprは日本を代表するレーシングカーコンストラクターだ。スーパーGTにはシリーズ創設初期から参戦し、トヨタMR-S、プリウスGT、ARTAガライヤなど、数々の名車を生み出した。とくにMR-Sでは複数のシリーズタイトルを獲得している。

「30号車 apr」【SUPER GT 2025 GT300クラス オールチームラインアップ】

 現在においても、aprはGT300クラスで走るGTA-GT300既定車両のほとんどを製作している。金曽裕人監督は、「ウチが“素うどん”を作りますから、あとはみんな好きなように触ってください」というコンセプトだと明かす。実際、aprから車両の供給を受けたチームは、風洞実験などを駆使して車両の開発・アップデートを進めている。

 また、aprは一般向けのサービスを別工場「サービスセンター」にて展開。そこでは車両やパーツの販売、旧車レストア、走行会の企画などを幅広く手がけており、モータースポーツファンからアツい支持を得ている。

 近年2台体制でGT300に参戦しているapr。2021年までプリウスを採用していたが、2022年よりベース車両をGR86に変更した。今年は永井宏明と織戸 学のお馴染みのふたりに、中堅の小河 諒を加えたラインアップでシーズンを戦っている。

 トヨタカローラ三重の代表としての顔も持つ永井は、代々馬主の家系でもある。悲運の名馬サイレンススズカは父の啓弍氏が所有していた競走馬で、1994年5月1日生まれ……つまりアイルトン・セナが亡くなったその日に命を受けたことでも知られ、F1ファンからの注目を集めた。近年では人気ゲームアプリ『ウマ娘』によって若年層にも広くその名を知られている。自身の持つ競走馬の多くも、父の啓弍氏と同じように三重にちなんで「スズカ」の名が冠されている。

『MAX ORIDO』『オリダー』などの愛称で親しまれる織戸はクルマ好きからの根強い人気を誇り、GT300ドライバーのなかでも屈指の知名度である。GT300では2度王座に輝き、GT500にも長く参戦するなどその実績も折り紙付きだ。

「見た目はちょっと怖い雰囲気がありますが……(永井)」「本気で怒られるときは怖い(小河)」とチームメイトが証言するようにやや強面な織戸だが、その人間性から尊敬と信頼を集めている。

「すごく良い人で優しさがあります。年齢も重ねたなかでどんどん魅力を増してファンを掴んでいるのは素敵ですし、同い年として尊敬できます」と永井が言うと、小河も「プライベートでもしょっちゅう一緒で、親子のような関係です」と言う。

 そして小河は、1980〜1990年代にフォーミュラや耐久レースの世界で活躍した名レーサー小河 等を父に持つ。自身もレース中の事故で他界した父のあとを追ってレースの世界に飛び込み、さまざまなカテゴリーで活躍している。

 aprでは第3ドライバーということもあってか「できるだけ存在を消すことに重きを置いています(笑)」と恐縮するが、「チームはアットホームな雰囲気で助けてもらっています」と居心地の良さを感じているようだ。

「30号車 apr」【SUPER GT 2025 GT300クラス オールチームラインアップ】


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