2018年のクロスオーバー7生産終了まで進化を続けた
ここで2012年7月に改良された2.5リッターモデル(4速AT→CVT、アイサイト装備)に試乗したときの試乗メモを引っ張り出してみよう。
姿勢が低めな運転席に着座すると、レガシィツーリングワゴンやインプレッサと変わらない運転感覚が得られ、走りはじめても水平対向エンジンの恩恵ある低重心感覚が身の上。2.5リッター水平対向エンジンは出足から濃厚なトルクを発揮し、その回転上昇感、スムースさが素晴らしいのひとこと。
CVTの効果で巡行時のエンジン回転数はごく低く抑えられ(100km/h=1750回転)クルージングはごく静か。フロントストラット、リヤダブルウイッシュボーンのサスペンションの採用によってはしなやかで姿勢変化の少ない、それこそワゴン感覚そのものの重厚かつ滑らかな乗り心地と大人っぽい上質なドライビングフィールが味わえる。
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じつは、前席のヒップポイント地上高とアイポイントは、あの低全高が売りのオデッセイより低いのだ。それでいて、視界に関してはミニバンらしい爽快感があるのが、パッケージングの妙だといえる。
実用性もなかなかで、3列目席を格納すれば、シアターレイアウトゆえやや角度はつくものの、レガシィツーリングワゴンのようなワゴンライクなラゲッジルーム空間、使い勝手が可能。まさにグランドツアラーとしての資質に満ちている。
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2リッターモデルについては、2009年9月にミッションが4速ATからCVTに変更されて以降、NAモデルの走行性能が一段とスムースかつ静かな質感の高い走りを披露。動力性能は必要十分以上で、しなやかな乗り心地が好印象だ。
一方、ガソリンがハイオク仕様となるターボモデルともなれば、まるでインプレッサのS-GTを走らせているようなスポーティテイストが味わえる。
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STIモデルも登場しているが、お薦めは75%減税&CVTの2.0i-S(当時の価格283.5万円)。2009年からは「ぶつからないミニバン?」というキャッチフレーズで、アイサイトver.2の装着車も用意されることになってロングツーリングの安心感はさらに高まった。
と、大絶賛している筆者であった。
2015年には2013年の東京モーターショーに参考出品された「クロスオーバー7コンセプト」の市販車、ミニバンからクロスオーバーモデルに変身したエクシーガのビッグマイチェンモデルといえるクロスオーバー7の市販車を発売。中身はエクシーガそのものだが、最低地上高を170mmまで高め、クロスオーバーモデルらしい全幅1800mmのエクステリアを備えることになったのだ。
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2018年3月の販売終了の1年前の2017年3月には最後の一部改良が行われ、同時に特別仕様車のX-BREAKが発表されている。
エクシーガそのものの後継モデルは存在しないが、スバルのクロスオーバーモデルとしてアウトバックにそのキャラクターが受け継がれることになった。