トップカテゴリーにはない面白さがある
続いてAutoLabo RacingのスイフトでST-4クラスに挑む伊藤選手を直撃してみた。
──スーパー耐久の魅力はどこですか?
伊藤選手:参加できる幅が広いところですね。車種に関してもそうですし、ドライバーのスキルに関してもプロだけでなく、アマチュアも参戦できるところがポイントです。意外と参加しやすい条件になっているので、ジェントルマンドライバーにとってはいいカテゴリーですね。
AutoLabo Bドライバー伊藤大輔氏画像はこちら
──スーパー耐久は1スティントが長いイメージですが、体力的には問題ないですか?
伊藤選手:そもそもモータースポーツは、そんなにラクじゃないです。参加しているドライバーやチームのレベルはさまざまですが、スーパー耐久では、ジェントルマンドライバーもある程度のパフォーマンスを発揮しなければならないですからね。長いスティントはきついかもしれませんが、自分を磨きながら速さを鍛えていく……という意味では長丁場の走行で努力していくことも面白さのひとつだと思いますよ。
290号車「AutoLabo Racing」のスイフト画像はこちら
──たしかに市販車ベースといっても競技車ですから、乗り心地がいいわけではないですし、スポーツですからハードな部分もありますよね。
伊藤選手:とはいえ、長いスティントを任されることは、ジェントルマンドライバーにとってもやり甲斐があると思う。プレッシャーはかかると思うけれど、与えられた課題を達成できたら嬉しいと思うので、ロングスティントをネガティブに捉えてないです。
──ちなみに伊藤選手が乗っているAutoLabo Racingのスイフト、エアコンは付いてますか?
伊藤選手:ないです。クールスーツも着ていないので、ただただ暑いです……。
AutoLabo Bドライバー伊藤大輔氏画像はこちら
──伊藤選手はこれまでフォーミュラにしてもGTカーにしても、トップカテゴリーで戦ってきましたが、スーパー耐久のST-4クラスは物足りない……といった感じはありませんか?
伊藤選手:スーパー耐久のST-4クラスはトップカテゴリーとはまた違った難しさがあるし、面白さもあります。トップカテゴリーで速く走ることとボトムカテゴリーで速く走ることは一緒だと思っていて、自分に与えられたクルマの最大限のパフォーマンスを出す……という取り組みに関しては、どのカテゴリーでも変わらない。もちろん、クルマに対する慣れはあります。僕はFFのクルマを速く走らせることには慣れていないけれど、それはそれで刺激になるし、ST-4クラスはクルマに対して優しい走らせ方をしながら、速いクルマを抜かせるときには、いかにタイムロスを少なくするかを常に計算しながら走らないといけないので、頭を使います。そういった意味を含めて、このクラスは大変ですけどおもしろい。
290号車「AutoLabo Racing」のスイフト画像はこちら
──なるほど。ST-4クラスも大変なんですね。
伊藤選手:トップカテゴリーしか走っていないとそこでの繋がりしかないけれど、スーパー耐久に出るようになってからワンメイクレースに参戦しているドライバーと、走り方について話すようになりました。そういったことはいまでも刺激を受けることが多いですし、それにスーパー耐久に参戦するプライベーターチームの雰囲気も楽しいです。
このように、現在49歳になる伊藤選手もスーパー耐久を満喫。
まさにスーパー耐久はトップカテゴリーで活躍するプロドライバーからレース経験の少ないアマチュアドライバーまで誰もが楽しめる耐久レースで、スーパーフォーミュラやスーパーGTにはない独自の魅力をもっている。
290号車「AutoLabo Racing」のスイフト画像はこちら