大人気ランボルギーニ・ウラカンがついに終了! 涙ながらにその歴史を振り返ってみたらバリエーションの豊富さに驚き!! (2/2ページ)

とどまることなく進化を続けたウラカンの10年間

 2016年には、よりダイナミックな走りを楽しみたいというカスタマーからの要求に応えて、駆動方式をRWDとした「LP580-2」と「同スパイダー」の両車もデビューを飾る。こちらの最高出力は580馬力に抑えられていたものの、「LP640-4」よりも安価な価格が設定されていたという事情もあり、その人気は市場でも非常に高かった。

 さらに、ランボルギーニは2017年に「LP640-4ペルフォルマンテ」、翌2018年には「同スパイダー」を新設定。ペルフォルマンテとはイタリア語でパフォーマンスを意味する言葉で、事実スタンダードなLP610-4からエンジンを30馬力強化したことと40kgの軽量化を実現したことで、その運動性能はより過激なものになった。

 そしてランボルギーニは、2019年になるとウラカンに大幅なマイナーチェンジを実施。新たに「EVO」の名を得た正常進化型がここで誕生する。搭載エンジンはそれまでのペルフォルマンテと同様に640馬力というスペックだったが、ボディのエアロダイナミクスなどが高められたことによって、スーパースポーツとしての魅力はさらに高まった。2020年にはRWDの「EVO RWD」も登場。こちらは610馬力の最高出力が設定されている。

 だが、ランボルギーニは、ウラカンの進化をこのEVOシリーズで終えることはなかった。同じ2020年にはワンメイクレース車両、「スーパートロフェオ」のロードバージョンともいえる「STO(スーパートロフェオ・オモロガータ)」が発表されたほか、2022年になるとEVOとSTOの中間的なキャラクターをもつ「テクニカ」をリリース。これらには640馬力のユニットが搭載されていた。

 2023年に全天候型スーパースポーツとして、EVOをベースに車高を44mmアップさせた「ステラート」を生み出したこともまた、忘れてはならない事実だろう。

 後継車のテメラリオが、V型8気筒ツインターボエンジンにPHEVのシステムを組み合わせて、じつに920馬力という最高出力を誇るに至ったいま、はたしてウラカンはどのようなスーパースポーツとして映るのだろうか。

 次回は一連のウラカンシリーズのなかでも、もっともスパルタンなモデルとしてファンからの支持を得る、「STO」のステアリングを握って、その魅力を再確認してみることにしたい。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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