いずれHRC印のシビック・タイプR用パーツが登場するハズ! HRCがS耐でさらに「速い領域」での挑戦をスタート!! (2/2ページ)

2025シーズンのHRCタイプRは市販車ベースではない

 CIVIC TYPE R HRC Conceptのパフォーマンスは高く、同モデルのステアリングを握る大津選手によれば、「市販車をベースに開発された昨年までのクルマと違って、今年のクルマはTCRがベースになっていますからね。車両自体の重さも違いますし、エンジンやギヤボックスも含めてパーツも違うので、乗った瞬間のフィーリングからST-2クラスの車両とは違います。もちろん、どちらのモデルも、トルクの出方とかターボのパワー感などはホンダらしさがあるんですけど、クルマ本体のパフォーマンスが違います」とインプレッション。

 さらに大津選手は、「TCRはもともとスプリントレース用に開発されたクルマなので、1から作っていかないと行けないんですけど、テストを通じて走行中にトラブルはなかったですし、ほとんど吊るしの状態ですが、他チームのTCR車両と比べても同等かそれ以上のパフォーマンスで走れているので、ポテンシャルは高いと思います。もてぎや岡山などのテクニカルなコースとの相性がよさそうですが、ハイスピードでのダウンフォースも感じるので鈴鹿も速いと思います。オールマイティな雰囲気もあるし、信頼性も高そう。今大会でいえば、ST-Xクラスに次ぐ順位を狙いたい」とのことで、大きな手応えを掴んでいるようだ。

 事実、Team HRCの271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」は、26日の予選で総合5位、ST-Qクラスの1位を獲得したほか、27日の決勝でも終始コンスタントな走りを披露。惜しくも総合5位には届かなかったが、271号車は過酷な5時間レースを走り抜き、総合6位、ST-Qクラス1位でデビュー戦をフィニッシュした。

 レースを終えた大津選手は、「スタート前にトラブルはあったんですけど、チームに直してもらったおかげで無事に走ることができました。このクルマで初めてのレースなので、タイヤがどれくらい摩耗するのかデータがない状態でしたが、ペースも悪くなかったし、最後まで走り切ることができましたからね。課題や改善させるべきことも見つかったので、収穫のあるレースだったと思います」と手応えを語る。

 さらに、前述の桒田室長も「本格的にパーツ開発を行なっていくのは2026年からです。外装パーツに関しては量産モデルのベースラインに合わせて開発していくことになると思いますが、外見も中身も少しずつ変わっていくと思います。レース活動を“走る実験室”とよくいいますが、F1などのプロトタイプカーではなかなか、自分のクルマとリンクしてみられないですよね。でも、CIVICであれば身近に感じてもらえると思いますので、“おもしろそうなことをやっているな”という感じで見てもらいたいですね」と語っている。

 ホンダファンやシビックオーナーにとって、スーパー耐久のST-Qクラスに挑むTeam HRCの271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」は目の離せない存在となるに違いない。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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