えっ、そんなに違うの? 日本で主流のアスファルトと欧米に多いコンクリート「舗装の違い」 (2/2ページ)

コンクリート舗装は手間がかかるも頑丈

 それに対してコンクリート舗装は手間がかかる。コンクリートとは、石灰石をおもな原料とするセメントに砂利と水を増せた材料だ。特徴は頑丈で耐久性が高いことにある。

 建築において鉄筋コンクリートが使われるが、鉄筋は曲げや伸びに強く、コンクリートは圧縮に強い。それらを組み合わせることで丈夫な建物をつくることができる。コンクリートが圧縮に強いということは、重い大型車が頻繁に通行する道路では破損しにくく長もちすることになる。

 しかしながら、舗装してから車がとおれるようになるまでの作業に2週間ほどかかるといわれ、アスファルト舗装の簡便さにくらべると圧倒的に手間がかかるのでそのぶん費用が高くなる。

 それでも欧米などでコンクリート舗装が多いのは、昔から石づくりの建物が多く町の構造物が長もちするから、道路も長もちする方法で舗装されてきたのだろう。100年以上の都市計画のなかで建物や道路が考えられていくことにもつながる。

 日本は第二次世界大戦前までは多くが木造住宅で、古くは江戸時代から火災によって一瞬にして燃え尽きてしまうことを経験してきた。また、地震や津波といった自然災害も多かった。したがって、焼け出された地域に素早く家を建てて道路を復旧することが優先されるため、アスファルト舗装のほうが都合がよかったといえるだろう。

 経費の面では、アスファルト舗装は敷設する段階は安く上がるが、その後の保守管理に継続的な予算を必要とする。一方のコンクリート舗装は、敷設のときには多くの費用を必要とするが、耐用年数が10年ほどとされるアスファルト舗装に比べ長もちするので保守管理費用が安く済む。

 道路の一生という視点に立てば、最終的にどちらも同様の経費になるのではないか。


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御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

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