この記事をまとめると
■パンクやバーストによるタイヤのトラブルはJAFの出動理由の1位になるほど多い
■高速道路を走る前に空気圧を高めにするほうがいいともいわれているが実際は不要だ
■車種毎に設定されている規定の数値を守っていれば問題ない
高速を走る前に「空気圧は高めにする」の是非
夏の高速道路で1番多いクルマのトラブルは、「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」。2024年度のお盆の時期の高速道路で、JAFロードサービス出動理由第1位も「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」で全体の38.14%(1155件)と圧倒的。
高速走行はタイヤへの負担も大きく、帰省や旅行時は乗車人数、荷物の積載量も多くなりがちなので、普段以上にタイヤの空気圧の重要度が増す。
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そんな危険なタイヤバーストにおいて、もっとも大きな原因も、タイヤの空気圧不足からくるスタンディングウエーブ現象といわれている。
スタンディングウエーブ現象とは、高速走行の際、空気圧の不足からタイヤが波打ち、タイヤ内部温度が急上昇する現象で、そのまま走行を続けてしまうと、やがてタイヤの形状を保つコードが破損し、バーストを引き起こす……。
こうしたタイヤのトラブルを防ぐためには、タイヤの指定空気圧を守ることが何より大切だ。
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その一方で、「高速道路を走行するときは、空気圧をメーカーの指定数値より高めにしたほうがいい」と聞いたことがある人もいるだろう。
たしかに、タイヤの空気圧に関しては、低いよりも高いほうが何倍も望ましいが、少なくとも現在のタイヤなら、高速道路を走るからといって、空気圧を高めに調整する必要はない。乗車定員の範囲内で、荷物も最大積載量をオーバーしていなければ、高速道路を長時間走行するときも、メーカーの指定空気圧を守っていればOK。
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ただしタイヤの空気圧は、タイヤが冷えている状態で点検・調整するのが大前提。
具体的には、クルマが停止してから2時間以上経っている状況が基準で、ガソリンスタンドなどを利用する際は、低速での走行距離が3km以下程度でないと、正しい空気圧は測れない。
1度それなりの距離を走ってしまうと、タイヤの温度が上がって空気圧が高まってしまうからだ。
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とはいえ、高速道路に乗る直前に、1カ月以上空気圧の点検・調整を行っていないことに気づいたり(空気圧は1カ月で約5%、自然に低下してしまう)、高速道路に乗ってからそのことを思い出し、SAやPAのガソリンスタンドに寄った場合は、すでにタイヤが温まっているので、指定空気圧にプラス30kPaになるよう調整しよう。
そのうえで、のちほどタイヤが冷えてから、空気圧を確認し、再度調整するのも忘れずに。