トヨタの名車「マークII」って違和感なく受け入れてたけど……よく考えたら「マークI」ってドコいった?

この記事をまとめると

■トヨタにはかつて「マークⅡ」と「マークX」という上級セダンが存在した

■「マークⅡ」の歴史は1957年に初代モデルが登場した「コロナ マークII」から始まった

■「マークII」の前に存在していそうな「マークI」なるモデルは存在しない

マークⅠはどこいった?

 トヨタのミドルクラスモデルとして知られるマークII。初代は1968年に登場し、2004年に後継車種のマークXにバトンタッチするまで、9世代36年に渡って存在し続けていた。

 そんなマークIIは、1988年に登場した6代目モデルの途中から280馬力を発生させる2.5リッターターボの1JZ-GTE型エンジンが設定されており、ハイパワーターボのFR車ということでドリフト系のユーザーからも高い人気を誇っている。

 また、兄弟車としてチェイサーとクレスタも存在しており、“マークII 3兄弟“として高い人気を誇っていたことを記憶している人も多くいることだろう。

 そんなマークIIの車名は我々のなかにまったく違和感なく溶け込んでいるワケだが、よくよく考えてみると「マークIIってなんやねん、そもそもマークIがあったんか?」という純粋な疑問にたどり着く。

 この疑問にはマークIIの成り立ちを振り返ってみる必要があるのだが、そもそも初代マークIIの正式名称は「コロナ マークII」であり、1957年に初代モデルが登場し、トヨタの基幹車種としてラインアップされていたコロナの派生車種だったのだ。

 初代マークIIが登場したときのコロナは、3世代目のT40系/T50系が現行車種だったのだが、派生車種だったマークIIにはT60系/T70系の型式が与えられていたことからも、その関係性をうかがい知ることができる。

 なお、初代マークIIはコロナよりも上級な車種という位置づけとなっていたため、排気量は1.6リッターと1.9リッターの2種類で、とくに1.9リッターは当時のクラウンに次ぐ上級車となっていたが、クラウンよりもパーソナルでスポーティな雰囲気を与えらえて、差別化が図られていた。

 ただ全体のデザインはコロナのイメージが残されており、コロナが備えていた「アローライン」と呼ばれたスラントしたフロントマスクなども踏襲していたが、マイナーチェンジ時にグリル中央にボディ同色のルーバーが与えられて分割グリルとなり、「イーグルマスク」という愛称が付けられるようになった。

 そんなコロナの派生車種として登場したマークIIだったが、2代目モデルからはコロナ系とは異なる専用の型式が与えられ、4代目モデルではカタログなどからもコロナの呼称が消え、5代目モデルからは正式に「マークII」が車名となったのだった。つまり、歴史を紐解いてみても、マークIというクルマは最初から存在していないことになる。


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小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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長距離ドライブ
好きな有名人
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