モータースポーツの原点といえば「レーシングカート」! いまGRがカートを手がけるワケ (2/2ページ)

TGRがGRカートを開発した意味

 そして、使い方に関しても取っつきやすさが重視されているのがGRカートの特徴だ。ノアやヴォクシーといったミドルサイズミニバンに積載可能で、ひとりで積み降ろしが可能なメンテナンス用の台座、保管時に立てかけることが出来るスタンドなども同時に開発している。

 安全面にも気を配っている。カートはタイヤがむき出しになっているため、タイヤ同士が接触すると、車体が浮き上がり横転してしまう危険性があるが、それを防ぐための専用のカバーも用意。接近戦のサイドバイサイドも安心して楽しむことができる。

 なぜいまTGRがカートを開発するのか? その背景にはモータースポーツの登竜門とされるレーシングカートを始めるハードルが高いというのがある。現在活躍しているレーシングドライバーの多くは、幼少期からレーシングカートでレース経験を積んできたドライバーたちだが、レーシングカートでレースを行うにはイニシャルコストもランニングコストもかかる。

 もちろん、ドライバーたち本人の努力も大きいが、保護者の経済力もレースキャリアを始めるのに大きくかかわってくるといえる。だが、カートはレースキャリアだけでなく、モータースポーツを始めるには最適という声もある。そこで、TGRは、モータースポーツの裾野の人口を増やすためにGRカートを開発したのだ。コストや運用の手軽さなどにこだわっているのは、モータースポーツ人口を増やすためなのだ。

 モータースポーツ活動をしている筆者としても、このGRカートが登場するのは非常に楽しみだ。ただ、単純に登場するだけでなく、老若男女問わずこのGRカートを使って楽しめるイベントや場所、そして最終的にはレースキャリアをステップアップできるシステムや仕組みの構築までTGRには期待してしまうのは欲張りすぎだろうか。


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西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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