日本がここまで暑くなるとは! クルマはもはや「寒冷地仕様」より「酷暑仕様」を本気で考えるタイミング!! (2/2ページ)

暑さ対策が盛り込まれたクルマが求められている

 クルマについても、酷暑に耐えうるような仕様にすべきではないかと考えている。まずは後席乗員向けのルーバー(風の吹き出し口)の標準装備化である。ミニバンでは後席用エアコンや、フロントの冷気を後席に送り込むサーキュレーターなどは当たり前のように標準装備されているが、セダン系では上級車向け装備となっているし、ハッチバックでも標準装備されているクルマは筆者は思いつかない。

 筆者は自家用車として、現行トヨタ・カローラセダンに乗っている。東南アジア向けのカローラセダンは「カローラアルティス」と名乗り、日本仕様より幅が広く全長の長いグローバルモデルとなるが、こちらにはコンソールボックス後端に後席乗員向けのルーバーが装備されている。

 また日本仕様であってもカローラクロスには一部グレードを除き後席乗員用ルーバーが標準装備されている。エアコンの冷却能力を高めながら乗員全員に冷風が快適にあたるよう、後席乗員向けルーバーは日本仕様の日本車にもボディタイプに限らず標準装備する時期がやってきたのかもしれない。

 あとは東南アジアではお約束ともいえる、真っ黒なウインドウフィルムの普及である。透過率など法令上の問題もあるかもしれないが、住宅でもウインドウサッシを断熱力の高い二重タイプにするだけで冷房効果がすぐに向上するとされている。日差しが強く、1年中真夏のような暑さの続く東南アジアでは、街じゅうのクルマが濃色のウインドウフィルムを貼り付けている。

 単なる暑さ対策だけではなく、UV(紫外線)対策の意味でも東南アジアのクルマ事情を参考に日本でもその流れを踏襲するべきだと筆者は考えている。冬については太平洋側に限っていえば、東北や北海道地域を除けば暖冬傾向も定着してきていることもあり、ここ数年は大騒ぎするほどの降雪はまずないので、いままでどおり寒冷地仕様をオプション選択できるようにすれば足りるものと考えている。

 あとはクーラーボックスもほしいところ。上級グレードの装備のようにも見えるが、中東ではスタンダードグレードから標準装着化しているモデルもある。「豪華ではなくてもクーラーボックスだけあればいい」、そんなことからスタンダードグレードがよく売れることもあるようだ。

 そして、エアコンの冷房能力アップ、後席乗員用ルーバー、濃色ガラス、クーラーボックスあたりをセットにした、「酷暑対策仕様」みたいなオプションを設定してみてはどうだろうか。暑さに対しては個人で感じかたも異なるので、あえてオプション選択にするほうが良いものと考える。

 以前、ボディカラーが黒のクルマを真夏の午後に運転していたら、だんだん頭がボーっとしてきた。エアコン温度をマックスクールにしていたのにである。そう考えると「酷暑仕様」には天井部分をはじめとした断熱効果アップも加える必要もあるかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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