【試乗】走りの上質さは驚くほどアップ! 新型日産ルークスの「進化ポイント」をまるごとリポート (1/3ページ)

この記事をまとめると

■日産の軽スーパーハイトワゴン・ルークスが4代目に進化してデイズに先駆けて登場

■爽やかな「かどまる四角」デザインや広く快適なインテリアで大幅に魅力向上

■乗り心地や走りの質感も大幅改善され競合車種の強力な対抗馬となるだろう

デイズに先駆けてモデルチェンジ

 日産の超背高軽ワゴン「ルークス」が間もなくフルモデルチェンジ。4代目へと進化する!

 新型ルークスも2020年2月デビューの先代3代目に続き、日産と三菱との合弁会社・NMKVがプロジェクトのマネジメントを担当。三菱eKスペース/デリカミニとの姉妹関係は双方の新型でも維持される。

 なお先代ルークスは、ベースとされた背高軽ワゴンの現行2代目デイズより約1年遅れて誕生したが、新型ルークスはそのデイズに先んじて世代交代することになる。

 なお、新型ルークスのプラットフォームやパワートレイン、パッケージングといった基本的なメカニズムは、現行デイズをルーツとする先代ルークスから多くを継承するが、それらを細部までブラッシュアップ。そして内外装のデザインを一新し、最新モデルらしいシンプルかつモダンな装いへと進化した。

「ROOX」という車名の由来にもなっている「Roomy×Max」がデザインコンセプトとされたエクステリアは、かつての2代目キューブを彷彿とさせる「かどまる四角」を前後ランプやドアハンドル、ホイールなどの随所に採用。車体をよりワイドに見せながら、モダンな装いと愛らしさを両立させている。

 なお、標準車とエアロ仕様「ハイウェイスター」とでは、おもにフロントのバンパー・グリル、ヘッドライトとホイールのデザインが異なる。具体的には、「ハイウェイスター」にはより厚みのあるヘッドライトとアッパーグリル、よりワイドなロアグリルが与えられている。

 だが、先代の「ハイウェイスター」にマイナーチェンジ前後とも見られたエアロ仕様らしいシャープなデザイン要素はなく、標準車と「ハイウェイスター」のデザインテイストは大きく近づいた印象だ。

「Breeze」(そよかぜ)をデザインコンセプトとするインテリアは、エクステリアと同様に「かどまる四角」をモチーフとして多用しつつ、インパネは12.3インチ+7インチの大型ディスプレイを採用した水平基調のシンプルかつモダンな造形に一新。また、インパネ上部からAピラー、ルーフにかけてガーニッシュの色を変えることで、日本家屋の縁側のように外界と室内の境界が曖昧な空間を表現している。

 しかし、インテリアが進化したのはデザインだけではない。Aピラー上端が従来より1cm前方に配置されたうえ、すべてのピラーが幅方向にも立てられたことで、室内空間が一段と広くなり、乗員の視界も拡大。

 シートには日産として初めて柔らかく伸びるメランジ生地を採用しつつ、後席の座面長を23mm拡大。フィット感を大幅に改善するとともに、格納時に生じる荷室の段差も低減させている。

 ボディカラーは標準車がモノトーン7色。「ハイウェイスター」もラインアップが一部異なるもののモノトーンを7色設定し、さらに2トーンカラーの組み合わせを3パターン×2種類用意し、「ルークス」全体で計17色を設定。

 通常の2トーンカラーはルーフ、ルーフスポイラー、ドアミラー、ドアハンドルがボディとは異なる色となるが、「プレミアム2トーン」と呼ばれるタイプはさらにボンネットと、フロントフェンダーから前後ドアパネル、Dピラーにかけてのプレスラインより上側がルーフ色になるという、極めて個性的な配色とされているので要チェックだ。

 インテリアのカラーとシート生地も充実している。標準車は白を基調にミント色のアクセントが入ったコットンタッチファブリックシートを採用。「ハイウェイスター」はチャコールグレーにフォーン(子鹿の毛のような薄茶色)のアクセントを入れたウールタッチファブリックを標準装備し、オプションでグレージュを基調としフォーンのアクセントが入るカシミアタッチファブリック&エンボスレザーコンビネーションシートも選択できる。

 いずれのタイプの実車を見ても、質感は見た目・肌触りともよく、またお洒落なコーディネーションになっているため、どのタイプを選んでも後悔することはなさそうだ。


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遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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