プロパイロットが選べないグレードがあるワケは? ハイウェイスターがおとなしくなった理由は? 日産新型ルークスの開発者に全部聞いた (3/3ページ)

日産ならではの「選ぶ楽しみ」にこだわる

──カラーバリエーションについては、2トーンのボディカラーに塗りわけかたが2種類あるのに驚きました。

水上さん:初めての試みですね。とくに「プレミアム2トーン」は攻めています。ですが上質さを出したいと思い、敢えてハイコントラストな色の組み合わせにはしていません。淡い感じで少し気づきづらい、ビビッドでスポーティあるいはアウトドアテイストでもない、ちょっと大人な雰囲気で、老若男女問わず幅広い方に「いいね」と選んでいただけるラインアップがどこかにあるのではないかと期待しています。塗るのは難しいんですが……。

──実際どのように塗装しているのでしょうか?

水上さん:塗装ラインを2回まわしていますね。1回で済むモノトーンに対し、1周したらマスキングして、もう1回塗装ブースに戻します。

──通常の2トーンカラーと「プレミアム2トーン」とで、工程は異なりますか?

水上さん:工程は同じですが、マスキングの面積が「プレミアム2トーン」のほうが広いですね。

 軽自動車メーカー各社でいろんな工夫がされていますが、軽自動車は色が非常に大事なんですよね。日産自動車はまだまだ後発で、パッと見て「あれなんだろう、ほしい」と思っていただける工夫をしなければ、待っているだけではお客さまに来ていただけないので、魅力的かつ目立つ工夫を大事にしています。

──カタログモデルのインテリアカラーに黒の設定がないのは、結構攻めたなと感じました。

水上さん:おっしゃるとおりだと思います。とくにプレミアム内装は明るい色なので、防汚コーティングも施しています。

──逆に架装車の「オーテックライン」はブラック内装で、コンサバティブな方向性に振っているので、そこで補っているという印象を受けましたね。

水上さん:昔ながらの黒にクロームといった組み合わせは「オーテックライン」でカバーでできていると思います。そういったニーズはいまも残っていると思いますが、他社のモデルには設定がありますので、日産はメインのモデルでは日産にしかないキャラクター、上質さで選ぶ楽しみにフォーカスを当てています。

──ADASはセンサー類などのハードウェアも変更されているのでしょうか?

遠藤さん:すべて新世代に変わっています。ミリ波レーダーなどは進化したものが装着されていますね。ミリ波レーダーは前後左右とフロント中央に計5つ、ソナーが前後4つずつ。カメラは「プロパイロット」を中心に使用するフロント単眼カメラひとつと、広角カメラが前後左右に1個ずつあります。

──フロント中央のミリ波レーダーが、先代のロワーグリル右側から、新型はアッパーグリル中央に移動しました。

遠藤さん:一番いい場所ですね。すべては検出の最適化のためです。

──先代ルークスも決して販売台数が少ないわけではなく、モデル末期でも月販約6000台を維持しています。新型では月販1万台以上を目指すお考えですか?

水上さん:そのくらいいけたらいいですね(笑)。手前味噌で恐縮ですが、新型ルークスは正直かなりの自信作で、力も入れていて、かなり売れると思っています。そういう意味では、選んでいただいたけれどお客さまのお手もとに届かない、ということにはならないよう、工場も含めて頑張っています。ですのでぜひ応援いただきたいと思います。

──非常に期待しています。ありがとうございました!


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遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
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