この記事をまとめると
■2026年にF1のレギュレーションが変更される
■2022年からはグランドエフェクトカーが40年ぶりに解禁されていた
■強力なダウンフォースが得られるのがグランドエフェクトカーの特徴だ
グランドエフェクトカーってなんだ?
2026年のF1は、空力面でアクティブ・エアロダイナミクスと呼ばれる可動式のフロントウイングとリヤウイングの採用が認められ話題となっているが、空力に関するレギュレーションで、近年もっとも大きな改革は、2022年のグランドエフェクトカーの復活だろう。
グランドエフェクトを直訳すると、「対地効果」。もともとは航空機の用語だが、レーシングカーではボディの底面を、飛行機の翼を上下反転させた形状にして、より積極的にダウンフォースを得ようというアイディアだ。
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もう少し詳しく説明すると、モノコックの両脇、サイドポンツーンのなかをトンネル状にして、そこを逆翼状にすることで、ベンチュリー効果を得る仕組み。
ベンチュリー効果とは、気体や液体などの流体が狭い通路を通る際に、流速が増加し、それに伴って圧力が低下する現象のこと。
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グランドエフェクトカーのボディ下面は、フロントタイヤ側が地面とのクリアランスが狭く、リヤタイヤに近づくにつれてその間隔がディフューズ(拡大)していくようになっていて、その地面と車体の間隔が狭くなったところで空気の流れが一気に加速し、後端のディフューザーによって高速に引き出すことで、車体と路面の間に吸着力(ダウンフォース)を生み出すことが可能になる。
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ボディ底面全体が巨大なウイングとして働くので、その効果は絶大で、前後のウイングよりもむしろフロアのデザインが空力のよし悪しを左右するほど。