インドネシアはスポーツモデルよりミニバンがお好き!? モーターショーでの注目度はプレリュードよりもステップワゴンの不思議 (2/2ページ)

ホンダはインドネシアでどうブランドをプロモーションするのか

 筆者は毎年ジャカルタを訪れているが、年々目に見えて国民生活が豊かになっていることを強く感じている。都市部を中心にライフスタイルの多様化も進んでいるので、そこにクーペモデルの商機があるといわれれば、それを否定する気はない。

 メルセデス・ベンツもショー会場でAMG CLE 53 カブリオレを発表しているが、価格は29億ルピア(約2640万円)となるので、間違いなくプレリュードとはターゲットユーザーは異なっている。ちなみにマスタングは19億6400万ルピア(約1788万円)となっている。

 プレリュードは、メルセデス・ベンツやマスタングユーザーほど高所得層ではなく、外資系企業などある程度高い所得を保証される職場に勤務する若い中産階級あたりを狙っているのかもしれないが、そもそもインドネシアに限らず、若い世代がクーペを選択するというのは限定的となり、クロスオーバーSUVやミニバンを選択することになるだろう。

 今回のプロトタイプの発表は、ホンダもインドネシアでのプレリュードの量販ありきで行っているものと考える。販売トップのトヨタはGR86、GRスープラをインドネシアでもラインアップし、さらにGRヤリスやGRカローラも販売しており、単にクーペというのではなく「GR」というブランドも含めてモータースポーツに積極的に取り組む姿勢をアピールしている。

 すでにインドネシアでシビックタイプRをラインアップしているホンダであるが、トヨタのように「GR」をシリーズとして展開してそれを前面に押し出していくのか、それとも歴代プレリュードの年表でも作って「北米で大ヒットし、さらに日本でもデートカーとして一世を風靡した」とアピールするのか、はたまた歴代モデルを並べて大々的に正式デビューさせるといった仕掛けを用意するのか、ホンダもそのあたりはしっかり考えているはずであろう。

 ホンダというブランドのアピールのひとつとしてプレリュードを必要としているのかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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