パイロットの意図どおりに動く基本に忠実なレーシングカー
いよいよコクピットに乗り込み、走行を開始する。この手のレーシングカーでは発泡シートで最適なポジションを作り込む必要があるが、今回はスポンジを押し込むだけで対応する。安全のために装備されるHALO(ヘイロー)はF1などフォーミュラカーとは異なり、円形フレームを繋ぎあわせた無骨なデザインのもので、デザイン的センスはイマイチ。また、コクピットに座ってみると思っていたより視界を遮る。
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メーター類はF1のようなステアリングに備わるモニターに表示され、ステアリングのスイッチで表示を切り替えることができる。ペダルは3ペダルだが、クラッチは停発進時に操作するだけで、走行中は2ペダルでOKだ。今回は左足ブレーキで走らせた。
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初めてのコースで、与えられた周回数はインアウト・ラップを含めてわずか4周。当然完璧に乗りこなすことは不可能だが、アクセル全開と直線フルブレーキングは試せた。スリックタイヤのグリップのよさはもちろんだが、1万回転以上回せるNAのエンジンフィールとパドルシフトの軽快さは格別のものだ。800mの直線ではインラップから6速全開を試せた。なぜなら、直進性が極めてよく、ダウンフォースが利いていて安定性の高さを感じ取れていたからだ。
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そしてブレーキング。左足で用心しながら踏み込むと、強力な制動Gが立ち上がり、瞬時に減速した。現代のレースカーの多くは、耐久レースが前提の摩耗を抑えた硬いパッドを採用している例が多く、かなり大きな踏力を要求する。しかし、AP製ブレーキはパッドをディスクに当てるだけで摩擦μが瞬時に立ち上がり、大きな踏力を必要としない。
このフィーリングは現役時代に好んで使っていたPAGID社のRS4/4に似ていて嬉しくなった。強烈な減速Gを発揮しながらも車体剛性は高く、4輪の接地性も安定している。ステアリングの切り込みを躊躇させないスタビリティが、思い切り攻め込める世界に引き込んでくれるのだ。
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4周はあっという間に過ぎてしまったが、ラディカルSR3 XXRのポテンシャルの高さは十分に理解できた。また、それは1996年に北米セブリング12時間レースで搭乗したライリー&スコット社のMkシリーズに酷似していた。
スペック的には突出していないが、走らせてみると基本に忠実な挙動でドライバーの意図したとおりに動く。細かなセットアップにも確実に反応し、「レーシングカーはこうだよな!」と思い出させてくれたのだ。
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ラディカル社は2026年後半から国内でもワンメイクシリーズの開催を計画している。価格が2000万円超えと高額で、国内のフォーミュラ・リージョナルやF3以上に高額だが、F4の隆盛をみると人気カテゴリーになる可能性は多いにある。また、約400万円で購入できるVITAのワンメイクシリーズからステップアップするにも最適なカテゴリーになるかもしれない。さらに、2座を使用したドライビングスクールが開催されれば魅力的だ。ラディカルには、今後の展開に多いなる興味をもって注目していきたい。