名将が築き上げた文化を次の世代へ
2026年には創立55周年を迎える土屋エンジニアリング。現在指揮を執る土屋武士の父、土屋春雄の代から「打倒ワークス」を掲げるプライベーターで、手作りでレーシングカーを作るというスタイルで挑戦を続けている。

2008年からはSUPER GTの舞台から離れていた時期もあったが、15年に復帰。「職人の技術の継承」をテーマに、若手メカニックとともに作り上げたマシンで16年にはタイトルを獲得した。今シーズンはそのほとんどを独自で開発、作り上げたGRスープラでレースを戦う一方、トヨタとの協業でギヤボックスなどの技術開発も行っている。
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ドライバー、監督、エンジニアなど、さまざまな役割でチームを引っ張るのが土屋武士。現在はチームが戦える環境づくりが主な仕事で、そのためにレースの解説や他事業などで資金集めに奔走している。趣味のゴルフにもなかなか行けない日々が続いているが、「頭も体も休む暇はないけど、『出し切った!』と思える、いいレースができると心は充実するかな。次に向けて頑張れるエネルギーになる」という。子どもの頃に見てきた職人の姿を追いかけ、日夜走り続けている。
Aドライバーの松井孝允は、GT300デビュー以降、土屋武士の手掛けるマシンに乗り続ける秘蔵っ子だ。トヨタの育成プログラム出身で、ミドルフォーミュラまでは進んだものの、そこで育成枠からは放出されてしまう。しかし、講師を務めていた土屋は松井の才能を評価し、自チームで走らせることに。2016年には2人でシリーズタイトルも獲得した。
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ただ、「ある種、家族の様に近い関係になってしまったことで、甘えが見えるようになっていた。プロドライバーとして、自分たちの思いが詰まったクルマを預けられる人として成長してほしい」という武士の親心から、2023年は別チームに移籍。その期待に応え、見事に成長を遂げた松井は24年からチームに復帰している。
かつて日産の若手育成プログラムに在籍。そこから海外修行を経てF1のリザーブドライバーも経験した佐藤公哉は、2019年に土屋エンジニアリングに加入。2022年、23年はおなじ土屋エンジニアリングがメンテナンスを担当したMax Racingへ移籍したが、24年には再び土屋へ戻り、松井とともにGRスープラをドライブしている。
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「たくさんの人の思いが詰まったマシンを預けるにふさわしい」と武士監督からの信頼も厚い。
