大事に繋いだバトンで久々の表彰台
今シーズン、予選で上位にいながらも結果がついてこないというなかで、緊張感溢れる決勝が始まります。
ポールポジションからスタートした井口選手は、序盤にぐんぐん後続のマシンを引き離し、スバルの勝利の方程式である逃げて逃げて勝ち抜くパターンで走り続けます。
しかし、途中でSC(セーフティーカー)ランが入り、後続と差が縮まりますが、トップを奪われることなく井口選手はピットイン。ライバルが先にピットインしていたこともあり、一時的に順位を落としますが、十分にトップを狙える位置で山内選手はコースに復帰します。
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後半を担う山内選手は安定したタイムを刻みながら、前を行くライバルに迫り徐々にポジションアップしていきます。しかし、ゴールまで残り周回数が少なくなってきたタイミングでFCY(フルコースイエロー)の追い抜き禁止が発生します。
その後、FCY解除のタイミングがコース終盤の130Rからシケイン手前ということもあり、山内選手は冷静に前車の位置関係とBRZの加速タイミングを見計らい、ズバッと追い抜きに掛かります。そのあとは3位にポジションをアップ。
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そしてそのままチェッカーフラッグを受けて、BRZは3位を獲得します。ただ、表彰台とはいえ狙っていたのはもちろんポールtoウィンでしたので、マシンを降りてきた山内選手が悔しさを滲ませていたのが印象的でした。
井口選手は「決勝の序盤は自信をもてるペースで、タイヤやマシンのグリップ力も良く、手応えを感じながら走っていました。ただ、ヘアピンでブレーキをロックさせてしまい、そこからタイヤのグリップが落ちてきて後半は少し苦しい展開になってしまいましたが、久しぶりに良いレースができたと思います」と、富士で2回マシントラブルに見舞われた井口選手にとっては、自分にとっても自信を取り戻せるレースになったようです。
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後半を担当した山内選手は「練習走行の段階では予選落ちもあり得たので、この結果は良かったと思います。しかし決勝のピット後は順位が落ちているのでそのことを冷静に分析していく必要がありますね。それでも表彰台圏外から表彰台に乗れたことはよかったですし、自分のドライビングをしていけばよいと、改めて思えました。フリーの走り出しから考えれば非常によい結果になったと思いますが、今後も集中力を切らさない走りをしていきたいと思います」と冷静な判断をしていました。
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小澤総監督は「7号車のペースはがとてもよくて、今日のレースでは敵わなかったかもしれません。正直、鈴鹿に来るまではここまでの結果は難しいかと思っていましたが、よいセットアップも見つかりましたし、暑いなかでもタイヤも壊れることなく走り切れました。ロングランを練習走行でできていなかったので、決勝ではどこでピットに入れて、後半をどう戦っていくのか悩ましいところもありましたが、よい結果に繋がったと思います。鈴鹿でダメなら次の菅生やそのあとのオートポリスにも繋がっていかないので、ここで結果が出たことはよかったです」と振り返ります。
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速さはもちながら結果に結びついてこなかった今シーズンのBRZ。このレースで掴んだものを活かして反撃の狼煙を上げていくことでしょう。
次戦のスーパーGTは、第6戦スポーツランドSUGOが9月20〜21日に開催されます。山内選手はもちろん、BRZにとっても得意なコース。次戦こそポールtoウィンを期待したいと思います。
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