参戦2年目のS耐年間チャンピオン経験チーム
昨年SUPER GTへの挑戦を開始したHELM MOTORSPORTSは、レーシングドライバーの平木湧也・玲次兄弟が運営しているチームだ。2000年からスーパー耐久シリーズに参戦。2022年にST-Xクラスで富士24時間レースを制し、シリーズチャンピオンに輝いた。

GT300クラスには2024年から参戦。NISMOのオフィシャルパートナーチームとしてNISSAN GT-R NISMO GT3を使用している。昨年は平手晃平を第1ドライバーに迎えた3人体制だったが、今シーズンは兄弟ふたりでの挑戦に。エンジニアは浦野夢希氏。GT500クラスではNAKAJIMA RACINGやNISMOに在籍経験のある、GT初の女性チーフエンジニアだ。
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これまで選手と監督業を兼任するプレイングマネージャーは他のチームにもいたが、チームの運営まで手がけるドライバーは珍しい。S耐では兄の湧也が監督も兼任しており、SUPER GTでも当初は同様の構想でいたが、「ルール上、監督との兼務ができなくて……。最初はやろうと思ってたんですけどね」。悩んだ兄弟はS耐で縁のある福山英朗氏に監督を依頼。チーム全体を俯瞰で見守る福山監督の手腕にも注目だ。
チーム代表とドライバーを兼任する兄の湧也は、弟の玲次と比べるとイレギュラーなことに弱く、アクシデントに遭遇すると大慌てというのが弟から見た兄だという。ただ無線でエキサイトしつつもしっかりと頭の中で組み立てて解決してしまう理論派ドライバーだ。
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一方、第一印象では落ち着きがあって冷静なイメージを持たれがちな弟の玲次だが、兄の湧也と比べると感覚派ドライバータイプ。無線ではあまりしゃべらないのも兄とは正反対だ。
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それが災いして、無線トラブルが起きていてもチームに気づかれないことも。あるレースでは無線に加えてクールスーツにもトラブルが発生し、軽い熱中症状態に。普段からしゃべらない玲次なだけに、チームはトラブルに気づかなかった。なんとか最後まで走り切ったものの、その後メディカルに運ばれたという。
