ランエボありきのベース車作りが功を成す
●ベストデザインはベース車の資質から
2005年の東京モーターショーで同車を予告する「MITSUBISHI Concept-X」が公開されましたが、そもそもこの回の三菱ブースは「クルマづくりの原点へ。」をコンセプトとし、次期デリカである「Concept-D:5」、革新的軽自動車「i」など、リコール問題からの信頼回復を図るべく極めて意欲的なモデルが並んだのです。
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2005年以来、ギャランの名が復活したフォルティスのコンセプトは「グローバル基準のスポーティセダン」。短めの4570mmの全長とワイドな1760mmの全幅、さらに逆スラントのボディは高い凝縮感がキモで、鋭いヘッドライトとジェットファイターグリルの組み合わせに加え、切れ長のテールランプとの相性も抜群。
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また、高い位置に引かれたキャラクターラインはボディの厚みを感じさせるとともに、強いウエッジも表現。キャビン形状は意外にも柔らかく相応の容量をもっていそうなのですが、シャープなボディとの組み合わせで全体をスポーティセダンに見せています。
そして、フォルティスはもとよりランエボⅩを想定したスタイリングであり、実際「ランエボ化」に当たって、最低限のモディファイで対応している点が完成度の高さに繋がっているのです。さらに、もともと短い全長を75mm短く、逆に全幅を50mm広げ、10mm低くしたことで凝縮感に精悍さが加わりました。
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さて、2015年に登場したファイナルエディションを最後にランエボⅩ、そしてフォルティスともに生産が終了しました。いまや三菱といえばSUVと軽自動車のラインアップがすっかり定着。そこへランエボの復活……。は、現実的ではありませんが、やはりグッドデザインのセダンやハッチバックを見てみたいところですね。