昭和オヤジからしたら便利すぎて泣けてくる! 昔じゃ考えられない今のクルマの標準装備 (2/2ページ)

すべての窓が透明なのもいまとなっては新鮮に見える

⚫︎プライバシーガラス

 リヤ3面、あるいはリヤ5面のガラスを黒くした「プライバシーガラス」。ミニバンなどの普及により非装備のクルマのほうが珍しくなった。じつは筆者、2代目レガシィツーリングワゴンが飛ぶように売れた時期にスモークフィルムを貼るアルバイトをしていた時期がある。標準装備になるのは3代目からなので、当時はプライバシーガラスの設定がなく、1日何台も施工していた記憶がある。

⚫︎ABS

 いまや、ありとあらゆるクルマに標準装備されているABS、1990年代半ばごろまではメーカーオプションだったこともあり、非装着のクルマも少なくなかった。その後、1990年代後半に入るとSRSエアバッグシステムと同じくらいのタイミングで普及していくこととなった。ちなみに、トラック、トレーラー、バスは2013年8月から。バイクも2018年10月以降に発売される新型車に関してはABSの装着が義務化されている。

⚫︎キーレスエントリー

 自身のクルマはもちろん、レンタカーを借りたときに受付でホイと渡される黒い物体。かつてはクルマのキーだったが、主にディーラーオプションで「キーレスエントリー」が設定されていた。クルマのキーにコインサイズのキーレスエントリーがキーホルダーのようにくっついているモデルや、日産レパード(F31型)のようにカードタイプのキーレスエントリーもあった。

⚫︎電動格納式ドアミラー

 標準装備であっても誰も驚かない装備のひとつが「電動格納式ドアミラー」。ボタンひとつで開閉できるだけでなく、近年はドアの施錠と解錠時にも連動してくれるのでとても便利だ。ちなみに、電動格納式ドアミラーをはじめて採用したのは1984(昭和59)年、日産ローレル(C32型)だった。この装備を家族に自慢したお父さんもいたはずだ。

⚫︎バックカメラ

 厳密にいえば、純正ナビはいまでも標準装備ではなくディーラーオプション装着であることが多いのだが、ナビとほぼセットになっているのが「バックカメラ」。停止線がない狭い駐車場でもギリギリまで寄せられるありがたい装備。1度バックカメラの便利さに慣れてしまうと、非装備のクルマを運転したときに「車庫入れが以前よりも下手になっている」ことを痛感させられる。

⚫︎まとめ:クルマの価格が高くなるのもやむなし……か

 原材料や人件費の高騰など、さまざまな要因でクルマの価格が高くなったと実感している人が多いはず。いまや軽自動車が250万円、乗用車も500万円を超えることも珍しくなくなった。しかも、モデルチェンジのたびに高くなっていく……。いち消費者としては辛いところ。

 こうして振り返ってみると、快適かつ安全のために、かつては設定すらなかった、あるいはオプション扱いだったものが次々と標準装備となっていったことがわかる。便利かつ快適、より安全になったクルマの価格が上がっていく……。こればかりはやむを得ないことなのかもしれないが、良心的な価格で買えるクルマが増えてくれることを願うばかりだ。


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松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
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