初代のキープコンセプトでも中身はしっかり正統進化している
2代目(2010~2017年)
2010年9月に登場した2代目スイフトは、好評だった初代のキープコンセプトのスタイルで登場。ただし、ホイールベースやトレッドを拡大して運動性能を高めたほか、軽量化と高剛性を両立した新プラットフォームを採用するなど、着実に進化をみせていた。
パワートレインは1.2リッターエンジンに統一し、トランスミッションは5速MTとCVTを設定。2013年のマイナーチェンジでは1気筒あたりふたつのインジェクターを備えたデュアルジェットエンジンとエネチャージを組み合わせ、非ハイブリッドモデルながら26.4km/Lという当時のクラストップの燃費性能も実現している。
スイフトスポーツも基本的にはキープコンセプトとなっており、エンジンも1.6リッターのものを継続採用したが、新たに可変吸気システムの採用や吸気VVT制御の最適化などで136馬力の高出力化を実現。トランスミッションも2ペダルモデルは4速ATからCVTとなり、MTは5速から6速へと多段化がなされた。
2代目スイフト(2010~2017年)画像はこちら
3代目(2017~2023年)
スイフトらしさは残しつつ、さまざまな部分を一新した3代目モデルは2017年1月に登場。新プラットフォームのHEATECT(ハーテクト)を採用したほか、新たに6速ATと組み合わされる1リッターターボモデルや、1.2リッターのマイルドハイブリッドモデルを追加し、先代から継続された1.2リッターNAと合わせて3種類のエンジンを設定した。
また、スズキ初となる衝突被害軽減システムの「デュアルセンサーブレーキサポート」や「アダプティブクルーズコントロール」などをオプション設定したこともトピックとなっている。そして、登場から半年後の2017年7月には1.2リッターに駆動用モーターとオートギアシフト(AGS)を組み合わせたスズキ独自のハイブリッドシステムを搭載したモデルも追加し、32.0km/Lという低燃費を実現していた。
一方のスイフトスポーツは、専用のフェンダーを備えたことで、スイフトシリーズとしては初の3ナンバーサイズの全幅となり、エンジンも1.4リッターターボエンジンとなったことで、動力性能が大幅にアップ。また、新プラットフォームを採用したことで6速ATモデルでも990kgと1トン切りを達成しており、200万円を切る(デビュー時)価格も相まって、非常にコストパフォーマンスに優れるホットモデルという評価を集めていた。
3代目スイフト(2017~2023年)画像はこちら
4代目(2023年~)
現行型となる4代目モデルは2023年11月に登場。先代では複数のパワートレインをもつワイドバリエーションとなっていたが、新型では直列3気筒1.2リッターのガソリンモデルとマイルドハイブリッドモデルの2種類に絞られた。
衝突被害軽減システムは「デュアルセンサーブレーキサポートII」に進化して検知エリアの拡大のほか、自転車やバイクの検知にも対応し、交差点衝突回避支援なども追加された。また、上級グレードには電動パーキングブレーキも採用されている。基本はCVTとの組み合わせとなるが、国内のスズキ車としては初となるマイルドハイブリッドモデルに5速MTが用意されている点も話題を集めたのも記憶に新しいところ。
ただ、先代まで人気を誇ったスイフトスポーツは現在まで設定されておらず、先代型も11月までの生産で終売がアナウンスされて完売状態となっている。
現行4代目スイフト(2023年~)画像はこちら
現在のところ、次期型スイフトスポーツの話はウワサレベルに留まっているが、ここまで人気のモデルをそのままスズキが終わらせてしまうのは考えにくいので、ちょうど現行型の生産が終わるタイミングで開催される、2025年のジャパンモビリティショーで何らかの発表があることをに期待したいところだ。